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津軽三味線ってこんなにカッコイイの!?『ましろのおと』

「赤ちゃんと僕」で有名な羅川真里茂の作品。
津軽三味線に人生をかける青年の物語。実際に三味線の音が響いてくるような迫力ある演奏シーンが魅力のひとつ。
この作者はとにかく人間の内面を描くのが上手い。嫉妬・絶望・怒り・興奮・喜び・悲しみ…。登場人物一人ひとりに共感してしまう。一見、性格が悪い人でもなんだか憎めない。そんな感情を読者に持たせるのだ。
生まれも育ちも青森の作者だからこそ描ける本格的な津軽三味線漫画。
果たして主人公は自分の音を見つけることができるだろうか。
読後はYouTubeで津軽三味線の動画を漁りたくなる、新しいジャンルの作品だ。

 

wikiより参照

ましろのおと』は、羅川真里茂による津軽三味線を題材にした日本漫画

概要[編集]

月刊少年マガジン』(講談社)にて2010年1月号に読み切りが掲載された後、同年5月号より連載化された。作者にとって初となる少年誌での連載作品であり、また白泉社以外での連載も初である。タイトルには「ましろの音」と「ましろノート」(ノートは音符などの意)の2つの意味がある。単行本は2017年3月現在、既刊17巻。

全国書店員が選んだおすすめコミック2011」、9位。「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」、6位。

2012年平成24年度)第36回講談社漫画賞「少年部門」、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞を受賞した[1]

あらすじ[編集]

16歳の津軽三味線奏者の澤村雪。三味線の師であった祖父が亡くなったことで、自分の音を探すため、単身上京する。

登場人物[編集]

澤村家[編集]

澤村 雪(さわむら せつ)
16歳。青森県生まれ。幼い頃から祖父が弾く津軽三味線の音を聞いて育った。師匠であり育ての親でもあった祖父・松吾郎が亡くなり、自分だけの音を探そうと、思いつきで上京する。
高校には1年生の夏から通っていなかったが、上京後は母・梅子の言い付けで梅園学園へ転入する。祖父譲りの津軽三味線の才能を持つものの、その演奏にはムラがあり、何の為(誰の為)に弾いていいか分からない時はおざなりな演奏しか出来ないが、明確に目的がある時の演奏ではその才能を遺憾なく発揮する。幼い頃より松吾郎の演奏を耳で聞いて技術を身に付けてきたため、譜面が読めない。他人と関わったり馴れ合ったりする事をしない性分のため、その言動は時に冷たいものにも映るが、根は優しく真面目な性格。祖父と同じく三味線で他人と競う事に興味を持たなかったものの、学園での出会いなどを機に少しずつ変わっていく。
澤村 若菜(さわむら わかな)
雪の兄で、津軽三味線奏者。5月2日生まれで老け顔の19歳。こと三味線に関しては感情的になる一面も見せるが、生真面目で弟思いの性格。松吾郎の愛弟子という点においても、雪の兄弟子にあたる。全国大会でも上位に入る実力の奏者だが、むしろそれゆえに雪や総一には及ばない自分の才能の限界を痛感している。
澤村 松吾郎(さわむら まつごろう)
雪と若菜の祖父で、梅子の父親。故人。全盲の津軽三味線奏者。無欲さゆえに生涯を通して世間に名が知られる事はなかったものの、その才能は一部では高く評価されており、彼の演奏を知る者からは「名人」と呼ばれている。雪と若菜の師匠でもあるが、「自分の音で奪え」が口癖で、手取り足取り教えるようなことはなかった。即興曲「春暁」(しゅんぎょう)の完成に30年を費やし、この曲が雪と朱利を繋いだ。
澤村 梅子(さわむら うめこ)
雪と若菜の母親で、松吾郎の娘。2人からは「梅子」と呼び捨てにされ、不仲というより険悪な関係。40代だが、一見すると20代にしか見えない。ビューティー業界の会社「梅丸」の女社長で、出産後も日本国外で仕事をする傍ら、澤村家に毎月100万円の生活費を送り、子育ては父の松吾郎に任せっきりだった。伴奏(三味線に合わせて歌う事)の達人。松吾郎の才能が世に出なかった事を惜しんでおり、息子の雪の才能を世に出すべく津軽三味線甲子園「松吾郎杯」を開催するなどしている。
性格は豪快で、傍若無人を絵に書いたような人物。行動力も尋常ではなく、息子達を振り回す。竹千代や小百合とは犬猿の仲。

私立梅園学園[編集]

雪が上京後、梅子により強引に転入させられ、通う事になった高校。

前田 朱利(まえだ しゅり)
1年C組。雪のクラスメイト。当初は津軽三味線愛好会の唯一のメンバーであった。津軽三味線をやるようになったきっかけは、彼女の祖母がかつて少女時代に疎開先で聞いたという津軽三味線の曲の手がかりを掴み、それを祖母に聞かせてあげたいという一心からである。その曲とは雪の祖父・松吾郎が30年かけて作り上げた即興曲「春暁」の一部であった。後に、雪が自分なりの解釈を入れた「春暁」を演奏した事で、祖母に聞かせたいという夢は叶えられた。その後は雪を目標に据え、彼の腕前に近づくために津軽三味線を続けることを決意する。
山里 結(やまざと ゆい)
1年B組。朱利の友人で幼馴染。ゲームや漫画が好きなオタクで、またゲーム愛好会部員でもある。ある日偶然、テレビで流れた雪の演奏を耳にし、以来雪の演奏に惹かれる。朱利に付き合って津軽三味線を一緒にやっているが、当初は津軽三味線愛好会には入っていなかった(後に入部)。
海人の事が好きなものの、海人はその気持ちに一切気づいておらず、朱利に好意を持って彼女ばかり構っている。その事への嫉妬と、朱利の優柔不断さなどに時折苛立ち感情的になる面があった。松吾郎杯団体戦の直前、メンバーを前に朱利と比較した自分のコンプレックスを吐き出したことで、朱利との友人関係はより強固なものになったようだ。
矢口 海人(やぐち かいと)
2年生。朱利と結の幼馴染。幼少時に友人と共に朱利へ意図せず嫌がらせをしてしまっていた事から、朱利の男嫌いの原因となっていた。実際は朱利に好意を持っているが、その想いには気付いてもらえず、朱利と親しくなりつつある雪に対抗心を燃やしていた。
父親は有力政治家つきの弁護士。その父親からは跡を継いで欲しいと思われているが、本人はプロサッカー選手の夢を持っており、またスポーツ推薦で梅園学園に入学できるほどの才能があった。しかし入学直後の練習試合による膝の故障により、サッカー選手としての生命を絶たれる。そのため、才能が活かそうともしない雪に苛立ち、津軽三味線同好会への入部を賭けて雪にサッカー勝負を挑み、結果として入部する事となった。学業成績も優秀で常に学園3位以内に入っている。
永森 雷(ながもり らい)
2年A組。団体戦に数合わせの助っ人として出るため、手芸部と掛け持ちで津軽三味線愛好会に入部する。オネエ言葉で喋り、手芸部の女子達ととても仲が良い。手先が器用で、普段は手芸部の女子達と一緒に編物などをしている。
父親は噺家の米福であるが、両親は既に離婚しており、母方に引き取られたため姓が異なる。幼い頃より三味線の師範である母親から、半ば強引に三味線を習わされた。弾く三味線は太棹の津軽三味線ではなく、細棹の方である。将来は三味線で米福の演目に曲をつける演奏をしたいと思っている。
小薮 啓子(こやぶ けいこ)
津軽三味線愛好会の顧問を務める若い女性教師。緒方洸輔(神木清流)に惚れており、顧問になったのも彼と連絡を取りたいため。三味線については全くの素人であるため、大俵に指導を依頼している。
教頭
梅園学園の生き字引。小藪に緒方洸輔の情報を伝える。

三味線奏者[編集]

緒方 洸輔(おがた こうすけ)
津軽三味線の全国大会でA級を二連覇している実力派奏者。神木流で、名取名は神木 清流(かみき せいりゅう)。青森に住む神木流師範の流絃に師事しており、実力者になった今も彼に対する敬意は変わらず、年に一度ほど挨拶に赴いている。梅園学園の卒業生で、津軽三味線愛好会の創設者。学生時に使用していた三味線を、後輩のために学校に残している。
雪との邂逅後、彼の才能の底を知ろうと、演奏によって幾度かのアプローチをかけている。
神木 流絃(かみき りゅうげん)
青森在住。神木流の師範。「神木流絃」は名取名であり、本名は「田沼源造」。緒方洸輔の師であり、総一と舞の父親。
実は雪の実の父親であり、総一と舞は彼とは血の繋がりがない養子である。雪に神木流を継いでほしいと望んでいるが、「松吾郎の音」が欲しいことが理由であり雪本人に愛情を持っている様子はない。
田沼 総一(たぬま そういち)
流絃の息子(養子)で、緒方の弟弟子。高校3年生にして全国大会では緒方に次いで準優勝経験なども持つ、若い俊英。常にマイペースであると同時に行動が子供っぽく、妹の舞曰く「お子様性格」。面倒くさい「自分ルール」を持つ故に友人がおらず、友達作りを目的に「松吾郎杯」に参加する。
田沼 舞(たぬま まい)
流絃の娘(養子)で、総一の妹(血の繋がりがあるかは不明)。高校2年生。同じく津軽三味線奏者。雪の小学校時代の同級生。ライバル視している雪が公式の大会に出たことがないため、父親に実力を認めてもらえなかったと感じている。そのため今でも雪を激しくライバル視しており、彼の名を聞くと血相を変える。高校生になった現在でも雪との勝負の機会を伺う。
荒川 潮(あらかわ うしお)
福岡在住の高校3年生。団体戦において一人前列・真ん中で弾くなど、目立つことを好む。演奏は荒々しく独創的。スリ上げを好んで多用し、持ち味でもある連続スリ上げは「荒川トゥイン」と呼ばれている。
梶 貴臣(かじ たかおみ)
大阪在住の高校3年生。派手さはないが、確実で狂いのない統制のとれた演奏を行うのが特徴。男女ともに人気のある奏者。大学進学とともに竹の華に就職。

唄い手[編集]

成宮 あやこ(なりみや あやこ)
東ノ宮杯準優勝、無冠の女王。踊りながら歌う成宮流「ゆさぶり」でライブ会場をわかしている。
壬生 悠里(みぶ ゆうり)
第34回東ノ宮杯優勝。

竹の華[編集]

三吉 竹千代(みよし たけちよ)
民謡居酒屋「竹の華」を経営する中年女性。梅子と同じく、雪の祖父・松吾郎の才能が、彼の無欲さゆえに後世に伝えられずに埋もれてしまった事を惜しんでいる。梅子とは面識があるらしく、犬猿の仲。
大河 鉄雄(たいが てつお)
29歳。津軽三味線、唄担当。
沙上 麻二(さじょう まに)
プロの民謡歌手、唄担当。第35回東ノ宮杯民謡全国大会に出場
追 一大(おい かずひろ)
26歳。津軽三味線、笛担当
江戸 鮎(えど あゆ)
28歳。津軽三味線、太鼓、唄、踊り担当。ツインテール、片目萌え。
三島 撫子(みしま なでしこ)
22歳。津軽三味線、太鼓担当。三島カオルと双子。
三島 カオル(みしま かおる)
22歳。津軽三味線、太鼓担当。三島撫子と双子。

その他の人々[編集]

立樹 ユナ(たちき ユナ)
22歳。キャバクラで働きながら、グラビアアイドルを目指す女性。彼氏でもあるタケトの才能を買っており、バンドの援助をしている。成り行きで上京直後の雪の面倒を見た。アダルトビデオ出演を持ちかけられ、夢を諦め帰郷する。
タケト
インディーズバンド「ピンク・パンク・ガジェット」のボーカル。譜面も書いており、バンド活動の傍らで曲を楽譜に起こす仕事もしている。ユナの彼氏だったが、女癖の悪さが原因で別れた。ユナが帰郷した後も雪のアパートに来るなど交流がある。
健(けん) / ジル / 紀雄(のりお)
「ピンク・パンク・ガジェット」のメンバー。順に、ベース / ギター / ドラム。健はバンドのリーダー。全員中学時代の同級生。
山野 寅治(やまの とらじ)
葛飾区に店を構える「たぬきち食堂」の店主。45歳、158cm。食堂とは別に大家もやっており、店の2階のいくつかの部屋を賃貸している。雪もここに部屋を借りている。
山野 桜(やまの さくら)
寅治の娘。中学1年生、140cm。世話好きな性格。下宿人である雪に憧れのような感情を持っている。
大俵 ヒロシ(おおだわら ヒロシ)
三味線ショップ「鈴音」(リンネ)を経営する中年男性。小薮に頼まれて週に一度、津軽三味線愛好会に指導に来ている。
米福(よねふく)
たぬきち食堂の2階に下宿している噺家。雷の父親でもある。
田沼 小百合(たぬま さゆり)
流絃の妻で、総一と舞の母親。総一、舞と血の繋がりがあるかは不明。夫が総一や舞より雪に目をかけていることに、表立って口は出さないものの懸念を示している。一見物静かで上品な女性だが、流絃を挟んで対立する立場の梅子と初対面ながら堂々と渡り合う気の強さも持ち合わせている。よき母親ではあるが、総一の「自分ルール」についていけずに翻弄されている様子も。

 

少年向けコミックス「ハイキュー!!」について

ハイキュー!!は週刊少年ジャンプにて連載中のバレーボールを題材とした漫画です。
必殺技や特殊技が出たりはしない正統派のスポーツ漫画であるハイキューは、主人公である日向翔陽が「落ちた強豪」と呼ばれる烏野高校のバレー部に入部しチームメイトと共に全国を目指していくお話です。
他校にも個性的な人物達が揃い、一見すれば脇役にも見えてしまうキャラクターや敗北した他校のチームにも一人一人にドラマがあり、熱い青春を疑似体験しているかの様な感動を何度でも味わう事ができます。
敗北を知り強くなっていく高校生達の成長を見る事ができるオススメの作品です。

 

wikiより参照

 

ハイキュー!!』は、古舘春一による高校バレーボールを題材にした日本漫画作品。『少年ジャンプNEXT!』(集英社)2011 WINTER、『週刊少年ジャンプ』(集英社)2011年20・21合併号にそれぞれ読切版が掲載された後、『週刊少年ジャンプ』にて2012年12号より連載中。

目次

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制作背景[編集]

中学、高校時代にはバレーボール部のミドルブロッカーだった[1]古館には、連載前からバレーボールを題材にした作品を描くという目標を持っていた。しかし、バレーボール漫画は実力がついてから連載するべきだという編集のアドバイスに従い、別のジャンルである『四ッ谷先輩。』で連載を始める[2]

『四ッ谷先輩。』の連載終了後、バレーボール漫画の連載獲得を目指し、『少年ジャンプNEXT!』2011 WINTERに増刊読切版を掲載する。『週刊少年ジャンプ2011年20・21合併号には本誌読切版が掲載される。その後、連載版の作成に取り掛かるが、最初に作成された1話のプロットはかなり密度が濃く、実際の連載版の第1話 – 第7話に相当する部分が詰め込まれていた。そこで1話ずつ整理し現在の形に落ち着いたという。最初の読切掲載から約1年にも及ぶ推敲を経て、『週刊少年ジャンプ』2012年12号より本作品の連載をスタートした[2]

作風[編集]

話数カウントは「第○話」。タイトルの由来は、バレーボールを意味する熟語「排球」からである。連載開始時のキャッチコピーは「劇的青春」。

本作品の主な舞台は宮城県となっており仙台駅仙台市体育館など、宮城の地名・建物が登場する。なお烏野高校とその周辺は、作者の地元・岩手県の風景をモデルにして描かれている[1]。高校などは基本的に架空の名称が使われているが、実在校をモデルにした高校も登場する[3]全日本中学校バレーボール選手権大会全国高等学校バレーボール選抜優勝大会(春の高校バレー)・全日本バレーボール高等学校選手権大会(春の高校バレー)・全国高等学校総合体育大会バレーボール競技大会(インターハイ)など実在の大会も描かれている。

古舘は「超凄いセッターが、スパイカーに完璧にトスを合わせる話」として、『ハイキュー!!』をスタートした[4]スポーツ描写には誇張があるものの、基本的に現実の試合で使われているプレーをもとに描いている。そのため、少年漫画としては「地味」な作風。ただし、主人公コンビの速攻だけは古舘が考えた技で、実際にはあり得ない非現実的な描写がなされている[4]

ルールやプレイの説明はバレーに興味が無い人にも読みやすいように、物語に組み込むようにしている。ローテーションはカタルシスや緊張感を持たせるために利用されている。プレイに関する重要な言葉は、そのプレイが印象に残るような言葉が選ばれている[4]

メディア展開[編集]

連載当初から小説化・VOMIC化など様々メディアミックスが行われている。

2014年4月から9月にかけてMBS・TBS系全国ネット「日5枠」でテレビアニメ第1期が放送された[5][6]。2015年10月より2016年3月までテレビアニメ2期となる『ハイキュー!! セカンドシーズン』が放送された[7]。アニメ版からはOVA劇場アニメテレビゲームTCGなどが派生した。2015年、「ハイキュー!! 頂プロジェクト2015」として、アニメ1期総集編の劇場公開[8]や舞台化(同年11月中旬より)[9]などが行われている。ハイキューのアニメ(第一期)における海外進出は、アジアでは2014年に韓国、2015年は台湾香港タイフィリピンで放映され、2016年マレーシアにも進出、更に放映国が増えると思われる。2016年現在、ドイツで人気が高い、関心がある日本アニメの1つになっている[10]。但し、TV放映等は未定である。

また「8(ハ)1(イ)9(キュー)」の語呂合わせから、2015年秋のアニメ続編放送と劇場版放映記念に『ハイキュー!! セカンドシーズン』製作委員会の名義で8月19日『ハイキュー!!の日』として日本記念日協会に申請し、正式に記念日として登録されている。

現在に至るまで様々なバレーボール大会とのコラボレーションが行われている[4]

反響[編集]

連載を開始した2012年以降、本作の影響で中学・高校におけるバレーボール部の部員が男子を中心に増加傾向にあるとされている[11]。作中で古舘の出身地である岩手県軽米町は似た風景が数多く登場しているおり、「聖地巡礼」に訪れるファンが多い[12]。また地元商工会青年部も独自に調査した場所を紹介している[13]

葦原大介は『ワールドトリガー』を制作するにあたり、『ハイキュー!!』の影響を受けたことを言及している[14]

2014年10月に発売された単行本13巻(初週売上34.7万部)と小説版4巻(同7.0万部)は、それぞれオリコンの週間ランキングのコミック部門とBOOK(総合)部門で首位を獲得し、ランキング主要2部門を制した[15]。2015年5月には単行本16巻(週間38.5万部)と小説版5巻(週間6.9万部)で再びオリコンのコミック部門とBOOK(総合)部門で首位を獲得、両部門同時首位獲得数における単独トップに躍り出た[16]。アニメが放送された2014年には漫画単行本市場を伸長させた3作品の一つとして挙げられた[17]

何度か漫画関連のランキングで上位を獲得している[18][19][20]。2015年度には、非小学館作品でありながら第61回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した[21]

2017年2月時点で、累計発行部数は2100万部[22]

あらすじ[編集]

宮城県立烏野高校排球(ハイキュー=バレー)部のエースであった「小さな巨人」に憧れ、バレーボールを始めた小柄な少年・日向翔陽は、類稀なる運動神経とバネを持っていたが、中学のバレー部には自分以外の部員がいなかった。中学3年、やっとのことでメンバーを集めて出場した最初で最後の公式戦で、日向は「コート上の王様」と呼ばれる天才セッター影山飛雄に惨敗してしまう。影山にリベンジをするべく、憧れの烏野高校排球部に入部した日向。しかし烏野の体育館には、その影山の姿があった。初めは反発し合っていた二人だが、それぞれの持ち味を生かしたトスを見ないクイック攻撃、通称・“変人速攻”を編み出し、独りでは見ることのできない「頂の景色」を見るため、個性豊かな烏野高校の仲間たちと共に全国大会を目指していく。

序章(1巻)
中総体バレーボール競技宮城県予選1回戦、雪ヶ丘中学対北川第一中学の試合で、日向と影山は出会う。日向はこの試合で惨敗し、影山へのリベンジを誓うのだった。
3対3(1 – 2巻)
高校生となった日向と影山は、偶然にも同じ烏野高校へ進むが、指示を聞かずにいがみ合う様子に腹を立てた主将・澤村は「互いをチームメイトと自覚するまでは練習に参加させない」と2人を体育館から追放。他の新入部員と3対3の試合をして勝てば入部を認めるという条件を出された2人は、先輩である田中や菅原の協力を得ながら、入部を目指し共に練習を開始する。
VS大王様(2巻)
日向と影山が無事入部を果たすと、日向にとって最初の練習試合が舞い込んできた。相手は県ベスト4の青葉城西高校で、影山を正セッターとしてフルで出すことが条件。そして、青葉城西の主将は影山の中学時代の先輩である及川徹だった。
リベロ・エース編(3巻)
青葉城西との練習試合後まもなく、部活禁止処分を受けていたリベロの西谷がバレー部に復帰する。しかし、エースである東峰は過去の試合のトラウマから未だ部活に戻れずにいた。一方、顧問の武田はある人物にバレー部のコーチを引き受けてもらうため奔走していた。
合宿・音駒襲来(4巻)
リベロとエースが復帰し、ようやく全員でのスタートを切る烏野。因縁のライバルとされている音駒高校(東京)との練習試合を最終日に控えてゴールデンウィーク合宿が始まる。しかし、古豪音駒の「繋ぐ」バレーに烏野は苦戦を強いられる。
インターハイ予選(5 – 8巻)
音駒との練習試合を有意義に終えた烏野は、ついに高総体、インターハイ宮城県予選へと出陣する。初戦の相手は、澤村の中学時代のチームメイト・池尻のいる常波高校だった。一方、烏野高校女子バレー部もまた、全力で試合に臨んでいた。

伊達工戦(5 – 6巻)
2回戦の相手は、3月の県民大会で東峰のスパイクを完全に封じた伊達工業。烏野はエースのリベンジをかけて戦う。
青城戦(6 – 8巻)
3回戦、烏野の前には及川率いる青葉城西が立ちはだかり、度々ピンチに見舞われつつもチーム一丸となって奮闘するが、あと一歩及ばす敗北。3年生は悩んだ末に残留を決意し、全員で春高出場を目指す。
東京遠征編(9 – 11巻)
春高に向けた練習が続く中、猫又監督の計らいで梟谷学園・森然・生川・音駒が所属する関東のバレー部で成り立つ「梟谷学園グループ」の合同合宿に参加できることになった烏野は、東京遠征を行うことに。新たなマネジャーも加わり、士気が上がる烏野。しかし遠征に行くためには、日向・影山・田中・西谷にとっては超難関のとある試練が待ち受けていた……。
春高予選編(11 – 23巻)
東京遠征で多くの刺激を受け、チームはさらに進化。そしてついに、3年生は最後となる春高予選が始まる。

一次予選(12巻)
春高一次予選にて烏野は扇南高校と角川学園に相対し、東京遠征の成果を見せる。
代表決定戦(13 – 21巻)
烏野はインターハイ予選ベスト8と春高一次予選を勝ち抜いた8校の16校が一つの代表枠を争う代表決定戦に臨む。

条善寺戦(13巻)
“アソビ”がモットーの条善寺高校の型に嵌まらない攻撃に、烏野は苦戦を強いられる。
和久谷南戦(13 – 14巻)
かつての”小さな巨人”にプレースタイルが似ている中島猛を擁する和久谷南高校と、烏野は準々決勝にて対戦する。この時、主将である澤村が負傷し、代わりに縁下がゲームキャプテンを引き継いだ。
青城戦(15 – 17巻)
迎えた準決勝、インターハイ予選での雪辱を果たすため、烏野は青葉城西高校と因縁の対戦に臨む。
白鳥沢戦(17 – 21巻)
春高予選決勝戦にて、烏野は宮城県の王者・白鳥沢学園高校に挑む。王者白鳥沢に烏野は圧倒的な差をみせつけられるーーーーー。
東京都代表決定戦(21 – 23巻)
11月中旬、音駒高校と梟谷学園高校は東京都代表をかけた戦いに臨んでいた。

音駒・梟谷戦(21 – 22巻)
勝利すれば代表入りが決定する準決勝、音駒高校と梟谷学園が代表枠を争う。
音駒・戸美戦(22 – 23巻)
梟谷学園に敗北した音駒高校は、最後の代表枠をかけて3位決定戦に挑む。
強化合宿編(23 – 25巻)
11月中旬、春高出場を控えた烏野排球部に、影山の全日本ユース強化合宿招集の報せが舞い込む。日向は自身の成長のために、呼ばれてもいない県の1年生選抜強化合宿に姿を現すが、門前払いをくらってしまい、部内でも軽率な振る舞いを叱られた末に雑務係としてのみ参加を許される。
伊達工練習試合編(25巻 -)
12月中旬、ユース合宿・1年生強化合宿・サーブ強化週間を経た烏野は、春高前の総決算として更にレベルを上げた伊達工との練習試合に臨む。

惡の華

惡の華 コミック 全11巻完結セット (少年マガジンコミックス)

 

ボードレールを愛する、文学少年・春日高男(かすが・たかお)。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた大好きな佐伯奈々子(さえき・ななこ)の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和(なかむら・さわ)に見られていたことが発覚!!バラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは……!?話題沸騰!!奇才・押見修造が描く背徳的純愛ストーリー!

惡の華

惡の華
ジャンル サスペンスホラー少年漫画
漫画
作者 押見修造
出版社 講談社
掲載誌 別冊少年マガジン
レーベル 講談社コミックス
発表期間 2009年10月号(創刊号) – 2014年6月号
巻数 全11巻
アニメ
原作 押見修造
監督 長濱博史
シリーズ構成 伊丹あき
キャラクターデザイン 島村秀一
音楽 深澤秀行
アニメーション制作 ZEXCS
製作 「惡の華」製作委員会
放送局 放送局参照
放送期間 2013年4月 – 6月
話数 全13話
テンプレートノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

惡の華』(あくのはな)は、押見修造による日本漫画作品。『別冊少年マガジン』(講談社2009年10月号(創刊号)から2014年6月号まで連載された。2013年にはテレビアニメも放送された。

概要[編集]

「絶望」をテーマに、思春期特有の精神的彷徨と自我の行方を描いた青春漫画[1]。作品名はシャルル・ボードレール同名詩集による。連載オファーのきっかけは、押見が2004年に執筆した作品『スイートプールサイド』による。

物語の舞台となる地方都市の情景や登場人物には、作者の故郷である群馬県桐生市と学生時代をモデルにした要素が多く反映されている(ただし自伝ではない)。高校編の街のモデルは埼玉県さいたま市大宮区である。

出張読み切りとして『週刊少年マガジン』2010年42号に特別番外編が掲載され[2]、単行本第3巻に収録されている。また、関連作品に高本ヨネコ作のコラボレーション漫画「ラブの華トラブル」が存在する(詳細は該当項目を参照)。

このマンガがすごい! 2011』(宝島社)のオトコ編で第10位にランクインした。

あらすじ[編集]

第1巻から第6巻までは中学編、第7巻34話からは高校編。

中学編[編集]

クラスの美少女・佐伯奈々子に密かに想いを寄せる春日高男。ある日の放課後、出来心により彼女の体操着を盗んでしまうが、その様子は嫌われ者の女子・仲村佐和に目撃されていた。窮地に陥り、仲村からの無茶な要求に翻弄される中、意外なきっかけから佐伯と付き合うことになり、春日は恋心と背徳の自己矛盾に苛まれる。そんな彼に呼応するかの如く、佐伯も内に秘めた意思を徐々に示すようになる。

現実社会の閉塞感に自己認識を見出せず、遣る瀬無い自我を抱える3人の中学生のアイデンティティは互いに交錯し、儚い逸脱へと向かっていく。

高校編[編集]

中学校編から3年後、春日高男は中学時代を過ごした群馬県から引っ越し、埼玉県で高校生活を送っていた。ある騒動以降仲村と離れ離れになりながらも春日は仲村への思いを捨て切れず、そして抜け殻のように毎日を過ごしていた。そんな春日はあるきっかけから男子の憧れの的である常磐文と交流を深め、常磐の中に仲村の影を感じていく。

登場人物[編集]

主人公と取り巻く少女達[編集]

春日高男(かすが たかお)
植田慎一郎
本作の主人公。ひかり市立南中学校2年1組→埼玉県立みぎわ高等学校2年B組の生徒。中一の頃から佐伯に片思いをしている。趣味は読書、中でもボードレールの『悪の華』がお気に入り。テストの成績は芳しくなく、自身の内面と現実社会との隔たりに鬱屈を深めている。自意識過剰な性格に加え、内向的かつ潔癖症気味で、対人関係にも壁を作りがちな傾向にある。クラスメイトからの評判はあまり良くない。
偶発的に佐伯の体操着を盗んでしまったところを仲村に目撃され、彼女の隷属と化する。激しい自己嫌悪の中、同時に自分の本質の空虚さや佐伯に憧れる自己矛盾も感じるようになり、迷走の深みへと嵌っていく。
幻想と苦悶の中で揺れ動く彼の自我の挫折と構築が、物語のテーマとなる。
高校編では仲村と離ればなれとなり、彼女の影を追いながら抜け殻のように過ごす。自分の存在に対して否定的でより内向的となり、独特の自意識過剰は影をひそめるようになる。引っ越しの際に所有していた本を捨ててしまい、それ以来本を読まなくなるが、あるきっかけから再び読書好きとなる。祖父の死と葬儀のため一時帰郷した際に木下と面会し、彼女から仲村が引っ越していた事と彼女の居場所を告げられた。

家庭環境
一般的な中流家庭で、一戸建ての家に住む。家族構成はやや神経質な母親と、大らかで読書好きの父親がいる。両親に対して反抗的な態度を見せることは少ないが、自らの内面を見せるほどには至っていない関係。高校編では埼玉県の公団住宅に引っ越しており、蔵書は全て処分したため自室は殺風景になっている。
仲村佐和(なかむら さわ)
声 – 伊瀬茉莉也
本作のヒロイン。春日の真後ろの席に座っている、眼鏡女子。普段は無表情かつ冷淡だが、春日と2人きりになった時には感情表現豊かである。非常に毒舌家かつ非社交的な性格で、周囲との軋轢が絶えないが、一切恭順せずに社会規範や常識に唾棄する態度を貫く。自身の弱い面を全く見せず、教師も怯ませるほどの図太い威圧感を放ち、誰に対しても協調せずしばしば暴言を吐く。反抗期を超えた、理解不能の問題児として疎まれている。
偶然に春日の秘密を知った後は、一方的に脅して服従を強いる。要求は主に佐伯に絡んだことが多いが、春日の交友環境を壊すことを目的とせず、春日自身の性欲や背徳的な欲求を全てさらけ出して自覚させることで、建前と倦怠に満ちた日常を壊そうと画策する。自称「変態」。
作者曰く春日は自分の一部で、仲村は外見は仲村みう、性格は自分の妻であり、「クソムシ」という言葉は妻からのメールにあった言葉である。
高校編では千葉県で定食屋を営む母親と同居。家業を手伝いつつ日々を送る娘の現状を母親は「とても落ち着いている」と述べており、以前より穏やかな物腰になっている。

家庭環境
一般的な中流家庭で、やや古びた一戸建ての家に住む。家族構成は温厚な性格の父親と祖母がいる。5歳の時に離婚しており、母親は同居していない。父親は自分なりに娘を気にかけてはいるが、心情を量りかねている様子で、半ばあきらめ気味。家族交流もほとんどなく、自室も殺風景。
佐伯奈々子(さえき ななこ)
声 – 日笠陽子
本作のもう1人のヒロイン。ひかり市立南中学校2年1組→栃木県宇都宮市に住む高校2年生。美少女かつおしとやかな雰囲気で、男子からの人気は高い。成績も優秀で周囲からはしっかりした優等生のイメージを持たれているが、それ故に悩み事を多く抱えている。性格は真面目かつ保守的で、常識や社交性も十分に持っているが、同時に内面では周囲の期待に迎合している自分の在り方に漠然とした虚しさを感じており、自己不一致の悩みを抱えている。
春日の言動に自我の導きを見出し、告白を受け入れて交際を始めるが、春日が仲村との間に抱えこんでいる煩悶を薄々察していくにつれ、距離感に不安を募らせていく。自分と仲村との間で揺れて意思が破綻していく春日の優柔不断さに失望して一度は別れたが、後に非常識な行動に傾倒して仲村の心を満たそうとする春日の情熱と、二人だけの退廃的な充足を築いている関係を知るにつれ、模範の裏側に抑制し続けていた渇望と激情を露わにしていく。
ある事件を起こした後、処遇が決定するまで群馬県の鑑別所に1ヶ月間収容されていた。その直後宇都宮に引っ越し、同地で高校に進学した。当時のクラスメイトの誰にも引っ越し先を伝えていなかった模様(at.高校編)。

家庭環境
裕福な家庭に育ち、瀟洒な邸宅に住む。両親とも上品かつ穏やかな性格で、家庭における奈々子や両親の振る舞いから、上流階級的な家風が散見される。
常磐文(ときわ あや)
高校編のヒロイン。みぎわ高等学校の2年生で、春日とは別のクラス。美人で男子に人気がある。アルバイト先の他校の先輩と付き合っているが、あることから気まずくなる。
学校ではいつも友人に囲まれており、快活さばかりが目立つが、実は文学好きで、春日と知り合う以前は趣味を共有できる者はいなかった。島田荘司筒井康隆のファン。自身もノートに小説のプロットを書いており、春日に激賞されている。

その他の人物[編集]

山田正和(やまだ まさかず)
声 – 松崎克俊
春日の友人。下の名前はアニメで付けられた。普段は明るいが、春日が避けられるようになった折には手の平を返して素っ気なく振る舞ったり、兄からDVDを借りて喜んだりする。
小島建(こじま けん)
声 – 浜添伸也
春日の友人。太めな山田とは対照的に痩せ型である。眉が濃い。春日は嫌がっているが、しばしば佐伯に関する性的な話題を口にしている。
木下亜衣(きのした あい)
声 – 上村彩子
佐伯の友人。ひかり市立南中学校2年1組→群馬県ひかり市に住む高校2年生。気が強くややキツイ性格で、仲村を嫌い春日を軽蔑している。女子のリーダー的存在で自ら率先して場を仕切るが、潔癖な分度量は広くないため、感情が表に出やすく取り乱しやすい面もある。佐伯と春日が交際を始めたことをきっかけに、その関係に疑問を抱くようになる。
高校編では、仲村の引っ越し先を知っており、一時帰郷していた春日に仲村の居場所を告げた。
友部(ともべ)
特別番外編の主人公。2年1組在籍の男子生徒。片思いの相手に「普通」と言われたことにより、ある行動を起こす。
下山(しもやま)
声 – 飛田展男
2年1組の担任を務める男性教師。学業に全く無関心な上に暴言を吐く仲村には手を焼いており、気圧され気味の様子。

用語[編集]

クソムシ
物語の序盤で、仲村が教師に対して言い放った暴言が最初。後に春日もこの台詞を叫んだ。アニメ版のオープニングの歌詞にも記されているほか、アニメ版最終回のエンドカードにて「クソムシと言ってすみませんでした。」と表記された。
クソムシの海
向こう側
秘密基地

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2013年4月より6月まで放送された。全13話。そのままのアニメ化では原作の本質と違うと思った監督の発想で、日本のテレビアニメでは史上初の全編ロトスコープを用いた作品となっており[3][注 1]、絵は原作とは全く違う実写タッチのものになっている[4]。音声収録は広域録音に適したガンマイクを使用しており、演技においても実写を意識している[5]。実写撮影は原作の舞台である群馬県桐生市。

2013年4月30日にはロトスコープの元になったモノクロ色の実写映像パートの第3話がニコニコ生放送で配信され[6]、Blu-rayおよびDVD版の特典として実写映像版が付属される。

キャスト[編集]

上記、メインキャスト以外の声。

実写キャスト[編集]

  • 春日高男 – 植田慎一郎
  • 仲村佐和 – 佐々木南
  • 佐伯奈々子 – 三品優里子
  • 山田正和 – 松崎克俊
  • 小島建 – 谷亮介
  • 蛭田亮介 – 北村亮介
  • 木下亜衣 – 中村つぐみ
  • 三宅麻友 – 大久保直子
  • 下山 – 渡邊晴樹
  • 春日の母 – 冴月里実
  • 春日の父 – 和気智之
  • 佐伯の母 – 末冨真由
  • 佐伯の父 – 羽野暢
  • 仲村の父 – 中野裕斗
  • 2年1組 – 橋本敬貴まてぃーに)、小林穂奈美、落合千葉咲、森石ミドリ、ガン太マッハスピード豪速球)、大宮聖実、廣瀬瞬、飯塚恵子、窪田めぐみ、吉本純(やさしい雨)、大工原万里子、牧凌平、神野汰久巳、小屋迫優士、林健太郎井村敏、小沼和、大嶋麻沙美、平田美穂子、遠松優香、関口ジョニーズ、あしとみしんご
  • エキストラ – 藤森喜江、熊野利哉、奈良彰一、居島一平米粒写経)、サンキュータツオ(米粒写経)、小林康博、小林雅生、小林コリン、こまり(ホロッコ)、ほり太(ホロッコ)、藤田優、藤田初夫、藤田征由、鈴木冴美、伏木礼子、市村かつみ、五十畑薫、星野良美、石原晴美、小泉進、室井史行、大友翼、浅利夏美、中田福大、秋山健太郎(スタジオ PABLO)、大山佳久、日崎有紀、市川勝己、今野一雄、佐藤政則、新井昇、清水早紀、中田福大、宮一守、宮澤剛(わたらせFC)、加藤哲宏平川哲生、矢部雅史、マキタスポーツ吉田尚記(ニッポン放送)、長谷川博紀(わたらせFC)、阿部美和子、鈴木一司(週刊少年マガジン編集部)、内田朋宏(週刊少年マガジン編集部)、南村美紗子
  • 猫町堂店主 – 押見修造(第5話)

スタッフ[編集]

実写制作[編集]

  • 実写制作 – ディコード
  • 実写プロデューサー – 和気智之
  • 実写撮影監督 – 加藤哲宏
  • 実写助監督 – 羽野暢、基はるか

主題歌[編集]

オープニングテーマ
「惡の華 -春日高男-」(第1話 – 第3話)
作詞 – の子、しのさきあさこ / 作曲 – しのさきあさこ / 編曲 – 長谷川智樹 / 演奏 – 宇宙人 / ゲストボーカル – の子
「惡の華 -仲村佐和-」(第4話 – 第6話)
作詞 – 後藤まりこ、しのさきあさこ / 作曲 – しのさきあさこ / 編曲 – 長谷川智樹 / 演奏 – 宇宙人 / ゲストボーカル – 後藤まりこ
「惡の華 -佐伯奈々子-」(第7話 – 第9話)
作詞 – 南波志帆、しのさきあさこ / 作曲 – しのさきあさこ / 編曲 – 長谷川智樹 / 演奏 – 宇宙人 / ゲストボーカル – 南波志帆
「惡の華 -群馬県桐生市-」(第11話 – 第13話)
作詞・作曲 – しのさきあさこ / 編曲 – 長谷川智樹 / アーティスト – 宇宙人
エンディングテーマ
「花 -a last flower-」(第1話 – 第4話、第6話、第9話、第11話 – 第12話)
作詞・作曲 – ASA-CHANG / 編曲・アーテイスト – ASA-CHANG&巡礼
「花 -a last flower- ver.Z」(第5話、第10話)
作詞・作曲 – ASA-CHANG / 編曲・アーテイスト – ASA-CHANG&巡礼
「花」(第7話)
作詞・作曲 – ASA-CHANG / 編曲・アーテイスト – ASA-CHANG&巡礼
「花 -a last flower- ver.X」(第8話)
作詞・作曲 – ASA-CHANG / 編曲・アーテイスト – ASA-CHANG&巡礼

各話リスト[編集]

話数 作画統括 作画監督 総作画監督 放送日
第一回 平川哲生 新田靖成 2013年4月5日
第二回 川崎逸朗 谷津美弥子、佐藤浩一、島沢ノリコ
藤木奈々、室田恵梨
新田靖成 2013年4月12日
第三回 岡村正弘 藤原未来夫、そ〜とめこういちろう、北川大輔
佐藤浩一、鳥沢ノリコ、いがりたかし
広尾佳奈子、室田恵梨、藤木奈々
谷津美弥子 2013年4月19日
第四回 青井小夜 藤原未来夫、青井小夜、北川大輔、室田恵梨
藤木奈々、鳥沢ノリコ、山本篤史、野道佳代
さのえり、佐藤浩一、加藤真一、高橋敦子
新田靖成 2013年4月26日
第五回 川崎逸朗 鳥沢ノリコ、佐藤浩一、そ〜とめこういちろう
宮本佐和子、北川大輔、山本篤史
藤木奈々、室田恵梨、藤原未来夫
谷津美弥子 2013年5月3日
第六回 高林久弥 島沢ノリコ、佐藤浩一、そ〜とめこういちろう
宮本佐和子、北川大輔、山本篤史
藤木奈々、室田恵梨、藤原未来夫
加藤真人、広尾佳奈子、高橋敦子
野道佳代
新田靖成 2013年5月10日
第七回 川崎逸朗
平川哲生
藤原未来夫、宮本佐和子、加藤真人
島沢ノリコ、広尾佳奈子、藤木奈々
室田恵梨、野道佳代、いがりたかし
佐藤浩一、そ〜とめこういちろう、北川大輔
長屋誠志郎
谷津美弥子 2013年5月17日
第八回 森義博 前田達之、小澤円 新田靖成 2013年5月24日
第九回 松下周平 枡田邦彰、立田眞一、重本和佳子 谷津美弥子 2013年5月31日
第十回 青井小夜 北川大輔、藤木奈々、宮本佐和子
野道佳代、山本篤史、室田恵梨
広尾佳奈子、そ〜とめこういちろう、さのえり
新田靖成
島沢ノリコ
2013年6月7日
第十一回 川崎逸朗 藤原未来夫、佐藤浩一、島沢ノリコ
加藤真人、そ〜とめこういちろう、坂本俊太
谷津美弥子 2013年6月14日
第十二回 山本天志 立田眞一、重本和佳子、北條直明 新田靖成 2013年6月21日
第十三回 不明[注 2] 2013年7月5日

放送局[編集]

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
日本全域 アニマックス 2013年4月5日7月5日 金曜 22:00 – 22:30 アニメ専門BS/CS放送 リピート放送あり
2013年4月6日7月6日 土曜 22:30 – 23:00 [注 3]
東京都 TOKYO MX 2013年4月6日 – 6月29日 土曜 25:30 – 26:00 独立局
埼玉県 テレ玉 2013年4月7日6月30日 日曜 25:00 – 25:30
千葉県 チバテレビ
神奈川県 tvk
群馬県 群馬テレビ 2013年4月8日7月1日 月曜 24:30 – 25:00
兵庫県 サンテレビ
京都府 KBS京都 月曜 25:00 – 25:30
日本全域 ビデオマーケット 月曜 25:30 更新 ネット配信
バンダイチャンネル 2013年4月9日7月2日 火曜 12:00 更新
ニコニコ生放送 火曜 24:30 – 25:00
ニコニコチャンネル 火曜 25:00 更新
ShowTime 2013年4月10日7月3日 水曜 12:00 更新
みんなでストリーム 水曜 22:00 – 22:30

Blu-ray / DVD[編集]

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
1 2013年8月21日 第1話 – 第2話 KIZX-116/7 KIBA-2021
2 第3話 – 第4話 KIZX-118/9 KIBA-2022
3 2013年10月2日 第5話 – 第6話 KIZX-120/1 KIBA-2023
4 2013年10月23日 第7話 – 第8話 KIZX-122/3 KIBA-2024
5 2013年11月27日 第9話 – 第10話 KIZX-124/5 KIBA-2025
6 2013年12月25日 第11話 – 第13話 KIZX-126/7 KIBA-2026

Webラジオ[編集]

『惡の華 クソムシラジオ』
2013年5月13日から7月29日まで音泉で隔週月曜日更新されていた。パーソナリティは、植田慎一郎(春日高男 役)、伊瀬茉莉也(仲村佐和 役)。

ドラマCD[編集]

『惡の華ドラマCD 悪の蕾』
2013年5月22日発売。品番 KICA-3212。漫画やアニメで語られない登場人物たちの過去のエピソード。また仲村の罵声集やキャストの「中二病座談会」も収録[7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ フルアニメーションではなく、秒間8コマを中心としたリミテッド・アニメーションとなっている。
  2. ^ 全スタッフのテロップが流れたため不明。
  3. ^ スカパー!BS放送)、スカパー!プレミアムサービススカパー!プレミアムサービス光にて無料放送。

出典[編集]

  1. ^ 押見修造×高本ヨネコ対談」、『別冊少年マガジン』2011年3月号、講談社、2011年2月9日
  2. ^ マガメガ”. 講談社. 2011年9月22日閲覧。
  3. ^ 史上初・全編ロトスコープのテレビアニメ『惡の華』4月放送開始”. ORICON STYLE. オリコン (2013年3月29日). 2013年4月7日閲覧。
  4. ^ 井上潤哉. “[Power Push] アニメ「惡の華」原作者・押見修造と監督・長濱博史が対談 (1/3)”. コミックナタリー. ナターシャ. 2013年4月6日閲覧。
  5. ^ 「惡の華」上映会は大盛況、「あえてリミテッドアニメに」”. コミックナタリー. ナターシャ (2013年3月25日). 2013年4月25日閲覧。
  6. ^ アニメ「惡の華」実写映像急きょ配信決定 ニコ生4話配信後に”. ねとらぼ (2013年4月30日). 2013年5月5日閲覧。
  7. ^ 「惡の華」の過去描いたドラマCD、仲村の罵声集も収録”. コミックナタリー (2013年5月1日). 2013年10月2日閲覧。

外部リンク[編集]

アウターゾーンリ:ビジテッド

アウターゾーンリ:ビジテッド 1 (ホームコミックス)

アウターゾーン――それは現実と空想の狭間に存在する未知の世界。時間も空間も確かな意味を持たないその場所においては現実を超越したあらゆる事象が起こります。摩訶不思議のホラーミステリー復活!!

 

アウターゾーン

アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
アウターゾーン リ:ビジテッド
(THE OUTER ZONE Re:visited)
ジャンル ホラーミステリオカルト
漫画:アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
作者 光原伸
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス (JC)
発表号 1991年14号 – 1994年15号
(1991年25号 – 同年50号は休止)
巻数 全15巻 (JC)
全10巻 (JCS)
全10巻(文庫)
漫画:アウターゾーン リ:ビジテッド
(THE OUTER ZONE Re:visited)
作者 光原伸
出版社 ホーム社
掲載誌 コミック特盛
レーベル ホームコミックス (HC)
発表号 2011年秋号 – 2015年冬号
巻数 既刊3巻(2015年10月現在)
小説:アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
著者 山田隆司
イラスト 光原伸
出版社 集英社
掲載誌 ジャンプノベル
レーベル ジャンプ ジェイ ブックス
発売日 1995年7月3日
巻数 全1巻
テンプレートノート

アウターゾーン』 (THE OUTER ZONE) は、光原伸による日本漫画作品。

週刊少年ジャンプ (WJ) 』(集英社)にて1991年14号より連載が開始され、同年24号で一旦終了。同年51号より連載が再開され、1994年15号まで連載された。

2011年10月の『コミック特盛 秋号 怖すぎて禁じられた怪談』(ホーム社発行・集英社発売)より新作『アウターゾーン リ:ビジテッド』(THE OUTER ZONE Re:visited、以降『リ:ビジテッド』)が連載されている[1]。2015年12月に同誌休刊のため、Webマンガサイト・画楽ノ杜で2016年春より連載再開予定[2]

概要[編集]

現実と隣り合わせに存在する、「アウターゾーン」と呼ばれる不思議な世界に巻き込まれる人々の姿を描く。本作の原点であるSFテレビドラマミステリー・ゾーン』と同様に基本的には各話完結であり、ホラーオカルトを主な題材としているが、第32話『時間をとめる機械』に代表されるSF的ガジェットなども頻出する。また、女性陣のヌードなどのお色気要素も盛り込まれていた。

ほぼ全話を通じ、謎の美女ミザリィが案内人(ストーカー)[3]として登場する[4]。『WJ』連載時は巻末に固定されていることが多く、読者投票人気も高くはなかったが、本作のような連載復活は非常に珍しいことであった。光原曰く、「もともと人気がさほど上がらないことを想定して10週限定連載の予定だったが、思いがけず好評を得た。しかし、別の連載作品の掲載が決まっていたために予定通り10週で打ち切り、日程を調整したのち第2部として再開した」とのこと。

光原は、本作の各話結末を考えるのに毎回苦悩したという。それは、本作のようなショートストーリー作品で登場人物が不幸な結末を迎えるものが多いことに対し、「不幸な結末を描くことは比較的楽かもしれないが、不幸な結末など現実にいくらでもある。それなのにどうしてフィクションの中でまで暗い思いをしなければならないのか」「せめて物語の世界だけでも希望のある結末を描きたい」という意地と信念を抱いており、「後味の悪い結末はできる限り避けて、読後感の良い結末を心掛けたつもり」としている。本作が長く続いたのは、「そのような信念を抱き続けて描いてきたから成功につながったのでは」と、光原自身は述懐している[5]

単行本では各回に対して作者自ら解説を行っており、アイデアの元ネタ等の裏話が語られている。

『リ:ビジテッド』では読者の対象年齢の高さを踏まえ、無印以上に過激なエログロ描写や後味の悪い結末も盛り込まれている。

登場人物[編集]

ミザリィ
自称・アウターゾーンへの案内人であり、人間ではない。知的かつ妖艶な色香を持ち、なおかつ雰囲気が謎めいている美人。素性は一切謎。性格は自己中心的かつ気紛れで、ややサディスト。悪人や自分勝手な人には容赦ないが、善意の人間や子供には優しい[6]
ウェーブの掛かった緑色の髪は腿まで伸びており、前髪の一房のみが紫色である。時には髪を刃物やドリルのように変形させ、攻撃する。耳介が尖っており[7]、左眼は常に前髪で隠れている[8]
銃や刃物程度で身体が傷付くことはなく、妖精吸血鬼ゾンビなどの怪物程度は簡単にあしらえる。稀に強大な魔物などの攻撃で傷つくが、一眠りすれば治る。
神出鬼没で場所や時代を選ばず、どの話でも服装こそ違うものの容姿自体は同じである[9]。自身の肉体年齢を操作し、少女の外見にも変化できる。第11話以降、しばしば「アンティーク・ショップ 美沙里」の店主として登場する。時には看板を変えたり、店自体を変えたりしている。ショップの商品にはどれも不思議な力が宿っており、超常現象を引き起こす。
一部のシーン[10]を除き、吹き出しの形状は四角形に近い形状で台詞に使われている字体は丸ゴシック体である。
的矢悟朗(まとや ごろう)
第60話、第78話、第111話 – 第115話に登場。超常現象の専門誌「月刊ワンダーワールド」の編集者兼ライター。元々はジャーナリスト志望で、社会の不正を暴くのが夢だったが、機会に恵まれず、三流オカルト誌の記者に甘んじていた。ミザリィの正体を探るため、取材を続けている。小学生の娘と2人暮らしで、娘にはいつも寂しい思いをさせている。退社してフリーランスとなってからもミザリィを追い続け[11]、最終的には生物兵器を開発していた企業の全貌を暴き、一流ジャーナリストの仲間入りを果たす。

『マジック・ドール』編[編集]

敏腕刑事・火牙明と“動く人形”マキの奇妙なコンビの活躍を描く[12]。読者からは好評を博し、シリーズ化された。全8エピソードの計15話。火牙とマキは、『狙われたミザリィ』にも特別ゲストとして出演している。

火牙明(ひが あきら)
平口町警察署の刑事。麻薬取引の捜索中に犯人を射殺した際、無関係の女性を死なせる。その責任から、被害者の女性の魂が宿った人形「マキ」の面倒を見る。マキにせがまれるまま署へ連れていったために同僚からは人形マニアの疑惑を掛けられるなど、受難の日々が始まる。当初はわがまま放題のマキに辟易していたが、幾多の事件を経て、やがて彼女をかけがえのない存在として認識する。5年前、高校時代からの親密な間柄だった女性・由美(ゆみ)と突然の死別に見舞われた経験が枷となり、それ以降は女性と距離を置いていた。東京都集英市在住。警察の所在地「平口」は、本作の各所で見られる。愛銃はベレッタM92。愛車はチゼータ・V16T
坂内マキ(さかうち マキ)
通称:マキ。18歳。道に迷って麻薬取引の捜索現場を通りかかった際、刑事に射殺された犯人の流れ弾を受けて死亡する。実は死神のミスによるものだった上に、元の肉体が火葬された為、怒って死者の門のオヤジを脅し、新しい肉体が見つかるまで自らの魂を着せ替え人形に宿らせると、自身の死の間接的な責任者(火牙)のもとへ押しかけ、強引に同居する。機転が利き行動力に優れるが、強気でわがまま。第46話以降、輸入品の海外製ドールハウスを買わせて住んでいる。憑り付いている人形の商品名は「MIKA」。
田所(たどころ)
火牙の上司で、課長。妻子持ち。火牙が人形マニアという噂を信じているが、そんな彼に休暇を勧めるなど根は部下想い。趣味は独身の部下に見合いをさせること。第56話 – 第57話では、逆恨みから命を狙われた。火牙と共に、第105話「恐怖の研究」にゲスト出演している。
マイク・ピンキー2世
通称:死者の門のハゲオヤジ。あの世の入り口「死者の門」を担当する男性。褐色の肌でハゲ頭。眼鏡を着用。前頭部には一房だけ髪が生えている。お人好しで争いごとは不得手。中級管理職らしく、第69話では仕事に失敗すればリストラになるところだった。

第87話『禁書』について[編集]

SF作家山本弘は、東京都青少年の健全な育成に関する条例改正について、自身のブログ『山本弘のSF秘密基地BLOG』で「他にも『アウターゾーン』の「禁書」というエピソードを連想した人も多いようだ」[13]と述べている。この話は下記のようなものである。

あらすじ
作品や表現物に極端な規制が加えられた、架空の未来が舞台。そこは道徳的な漫画だけが出版を許され、ギャグシーン、お色気シーン、暴力的なシーン、個人の思想が入れられた漫画は悪書とされ、隠し持っているだけで重罪となる世界である。
イラストレーターの西崎守(にしざき まもる)は悪書とされる漫画を何冊も隠し持っており、近所の少年の拓磨(たくま)にそのコレクションや自筆の漫画を見せていた。やがて、拓磨は守から漫画の描き方を教わるようになる。だがあるとき、拓磨が内緒で持ち帰った漫画が母親に見つかり、守は“悪書を所持し他人に公開した容疑”で逮捕される。
法廷で「汚らわしい書物を見せ、青少年の健全な発育を阻害した」と厳しく糾弾された守は、「子供に人間の本質を知らせないことこそ悪であり、子供は我々が想定している以上に大人である」と反論したが、彼は禁固30年の判決を言い渡され、隠し持っていた漫画はすべて焚書となる。その2年後、守は獄中で自殺した。
やがて、月日が経ったある日。そこには、近所の少年に自作の漫画を見せる、成長した拓磨の姿があった。

小説版[編集]

漫画版と同タイトルで、1995年7月3日ジャンプ ジェイ ブックスより発売された。著:山田隆司ISBN 9784087030365

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ ミザリィ帰還!「アウターゾーン」新作がコミック特盛に – コミックナタリーより。
  2. ^ コミック特盛 新耳袋アトモスが休刊、「アウターゾーン」など連載の怪談誌”. コミックナタリー (2015年12月17日). 2015年12月17日閲覧。
  3. ^ 案内人をストーカーと呼称するのは、アンドレイ・タルコフスキーの映画『ストーカー』にちなんでおり、英語で「不幸」を意味する名前「ミザリィ」 (misery) は、「スティーヴン・キング同名小説の題名から取った」と、JC第1巻のあとがきに明記されている。なお、連載当時に「執拗に付きまとう人間」という意味の「ストーカー」という言葉は、まだ一般的ではなかった。
  4. ^ ただし、『マジック・ドール』編にはミザリィがほとんど登場しない。
  5. ^ JC第15巻「アウターゾーンにおける制約」より。
  6. ^ ただし、第21話「人面瘡」や第102話「おしおき」のように、相手が子供でも人格に問題がある場合は命までは奪わないが、相応のお仕置きをしていた。
  7. ^ 普通の人間には見えない。
  8. ^ 実は獣のように不気味な瞳で、その眼力は大爆発を起こすほどの威力がある。
  9. ^ ただし、第1部終了後にプロポーションが見直されて第2部以降はより肉感的に設定されており、それに伴って扉絵や本編でのお色気要素も増やされている。
  10. ^ 第11話「フォーチュン・リング」、第70話「商売仇」、第78話「マンハント」など。
  11. ^ それについての聞き込みの過程で、他編の人物にも会っている。
  12. ^ ネーム作りの手間の軽減とシリアスな展開が多い本作の清涼剤を目指して作られたが、実際には光原の手間が倍増する結果となった
  13. ^ 2010年03月17日 「非実在青少年」規制:反対集会に行ってきたより。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

寄生獣

この漫画を一話から読む楽しみは何とも言い表せない。

1巻ずつ、手にとって次の巻を読むのは幸せさえ感じるドキドキ感!

個人的に連続殺人犯が出てくるとこからがかなり面白い。

すごい意見の分かれる漫画です!是非!

 

寄生獣

寄生獣
ジャンル SF[1][2]青年漫画
漫画
作者 岩明均
出版社 講談社
掲載誌 モーニングオープン増刊
月刊アフタヌーン
レーベル アフタヌーンKC
KCデラックス(完全版、新装版)
講談社文庫
講談社プラチナコミックス
発表号 F号 – H号
(モーニングオープン増刊)
1990年1月号 – 1995年2月号
(月刊アフタヌーン)
発表期間 1988年 – 1995年
巻数 全10巻(アフタヌーンKC・新装版)
全8巻(完全版)
既刊6巻/全8巻予定(講談社文庫)
全3巻(講談社プラチナコミックス)
話数 全64話
アニメ:寄生獣 セイの格率
原作 岩明均
監督 清水健一
シリーズ構成 米村正二
キャラクターデザイン 平松禎史
音楽 Ken Arai
アニメーション制作 マッドハウス
製作 日本テレビバップ
フォアキャスト・コミュニケーションズ
放送局 放送局参照
放送期間 2014年10月 –
話数 全24話予定
テンプレートノート
ウィキプロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

寄生獣』(きせいじゅう)は、岩明均による日本漫画。『モーニングオープン増刊』(講談社)にてF号(1988年)からH号(1989年)まで3話が連載された後、『月刊アフタヌーン』(同)に1990年1月号から1995年2月号にかけて連載された。全64話。単行本はアフタヌーンKCより全10巻が発行された。2003年には連載時のカラーページを収録した完全版全8巻がKCデラックスで新しく発売され、その後も新装版、文庫版などが発売されている。

謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生・新一の数奇な運命を描く。物語の構図は人間の頭に寄生して人間を食べる「寄生生物」側、最初は捕食されるがままであったが後に反撃に転ずる「人間」側、そしてその中間者として存在する「新一とミギー」側という三者によって成立しているが、話の焦点は新一に置かれている。表題の「寄生獣」とは、劇中においては寄生生物の呼称ではなく、地球環境に害をなす人間を意味する単語として物語の終盤に登場する。人間がむごたらしく食い殺されるなど、過激な[3]描写もある一方で、物語の軸には哲学的な主題があり[4][5]、テーマ性の高さや[3]、意外性のある劇的な展開[2][3]、物語の世界観[2]などが評価されて熱心なファンを獲得した[3]

高い評価を獲得しながらも映像化権にまつわる事情のため、連載の完結から約20年間はメディアミックス化が行えずにいたが[1][2][6][注釈 1]、2014年になってから映像化が行われている。2014年には10月より日本テレビ他にてテレビアニメ版が放送中。同年11月には山崎貴監督により実写映画化され、2015年4月25日に公開予定の完結編と合わせて2部構成の映画となる予定(各媒体の詳細はそれぞれの節および寄生獣 (映画)を参照)。

あらすじ[編集]

ある日突然、空から人知れず多数の正体不明の生物が飛来する。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、を含めた頭部全体と置き換わる形で寄生して全身を支配し、超人的な戦闘能力で他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後の頭部はもはや人間の物ではないが、自在に変形して人間そっくりに擬態する。彼ら「パラサイト(寄生生物)」は高い学習能力で急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。

その日まで平凡な高校生であった泉新一は、1匹のパラサイトに襲撃されるが、間一髪で脳の乗っ取りだけは免れる。パラサイトは新一の右腕に寄生して同化し、右手にちなんで「ミギー」を名乗るようになり、新一とミギーの共生生活が始まる。それと同時期に、他のパラサイトによるミンチ殺人事件が世界中で頻発し始めるが、犯人は不明とされていた。新一は世間に対して真実を明かさなくても良いのかと葛藤するが、ミギーは自己保身のみを考えており宿主である新一以外の人命には興味がないとし、自らの正体が露見すれば共生関係は終わりだと主張する。その一方で、新一が死ねば自分も生きられないミギーは、必要であれば新一を他のパラサイトから守るために同類と殺し合うことにも葛藤を抱かない。

しかし、そうした新一とミギーの特殊な関係は他のパラサイトから警戒される。高校教師のパラサイト「田宮良子」や彼女の仲間と敵対することになった新一は、両親が戦いに巻き込まれないことを願うが、彼の母親は新しい宿主を探していたパラサイトに遭遇し、殺害される。新一はパラサイトとなって自宅に現れた母に動揺し、手出しのできないまま心臓を刺し貫かれて致命傷[注釈 2]を負うが、ミギーが新一の体内に入って心臓を動かしながら修復することで心肺停止状態から蘇生する。その際、ミギーの寄生細胞が体内へ拡散した影響で超人的な身体能力を獲得した新一は、母親を乗っ取ったパラサイトと再会して復讐を遂げる。しかし、融合による変化は新一の精神面にも現れ、彼を悩ませるようになる。その一方、ミギーも新一との交流を通じて次第に人間の価値観を理解していく。新一のガールフレンドである村野里美は、彼の劇的な変化と変わらない優しさに困惑する。

その頃、新一の住む地域の隣町では、パラサイトこそが地球の環境に調和をもたらす救世主と考える政治家広川剛志が市長に当選し、不完全ながらも社会性を獲得したパラサイトたちが秘密裏に集まるようになる。学校を去り「田村玲子」と名を変えていた「田宮良子」は広川の試みに協力しつつも、生物学的には普通の人間でしかない赤ん坊を妊娠・出産し、生殖能力を持たないパラサイトのアイデンティティーについて思索を重ねる。

「田村玲子」は新一とミギーの存在を、パラサイトたちの今後にとって指針となると考え、他のパラサイトや人間を調査のために差し向けるが、行き違いを経て新一は幾度となくパラサイトと戦うこととなる。その結果、新一の周辺の人々が巻き込まれて犠牲となっていき、新一は広川のグループと対決する決意を固めていく。また、「田村玲子」も独自の思想を他のパラサイトから警戒され、仲間割れによって広川のグループを追われる。「田村玲子」を敵とみなしたパラサイトたちは彼女の策略によって返り討ちにされるが、彼女もまた一連の事件に巻き込んだ人間から復讐されて命を落とすこととなり、育ててきた赤ん坊と思索の末に出した結論を新一に託す。

一連の事件を経て、すでにパラサイトの存在は警察自衛隊の知るところとなっており、広川たちの拠点である市庁舎への掃討作戦が計画されていた。新一は自分がミギーに寄生されていることを隠しつつも、パラサイトと遭遇してきた経歴を買われ、もうひとりの協力者で、快楽殺人鬼として警察に拘留されつつもその経歴から人間とパラサイトを判別する超能力を持った浦上と共に、作戦に参加する。周到な準備と人間としての組織力、そして一般人の犠牲をいとわない作戦によって、市庁舎にいたパラサイトたちの大半は駆除される。広川は敗北を悟ると、突入してきた自衛隊員たちに対し、地球環境を汚染する人間は万物の霊長などではなく、地球を食い物にする「寄生獣」であると演説するが、彼らに射殺される。自衛隊員たちは、パラサイトの首魁とみなしていた広川が人間だったことに気がついて困惑するが、その直後、頭と四肢に合計5体が融合したパラサイト「後藤」に襲撃されて全滅する。「後藤」は以前から因縁のあった新一とミギーを宿敵と見なし、再戦を宣言する。また、浦上は混乱に乗じて監視役を殺害し、現場から脱走する。

新一とミギーは「後藤」から勝ち目のない戦いを挑まれて逃げ回ることになり、乾坤一擲の策にも失敗した結果、ミギーは新一を逃走させるための犠牲となって「後藤」に取り込まれてしまう。新一は失ったミギーの存在の大きさと友情から失意に暮れるが、逃走先で見ず知らずの他人に助けられ、再戦を決意する。新一は半ば自暴自棄になっていたために苦戦するが、不法投棄されていた有毒な産業廃棄物に助けられる形で勝機を掴み、ミギーを取り戻して逆転する。勝利した新一は、必死に生き延びようとする「後藤」の姿に心を動かされてとどめを躊躇するが、最終的には手を下す。広川の一件をきっかけにパラサイトたちが表立った行動を控えるようになると、ミギーは「後藤」との一時的な融合で得た経験を糧に思索のための長い眠りにつくことを宣言し、普通の右手に戻る。

1年後、新一は戦いの中で精神的な支えとなった里美との交際を続けながら平穏な日常を取り戻していたが、彼らの前に逃走していた浦上が再び現れる。新一が隠している秘密を見抜いていた浦上は、里美を人質に新一を呼び寄せ、自分のような快楽殺人者こそ人間の本質であると主張し、人間とパラサイトの中間的存在と見込んだ新一の見地からの感想を求める。新一は言い淀むが、里美は浦上の主張を一蹴する。新一は里美を救出するために反撃し、一歩及ばなかったものの、里美は助かる。眠っていたはずのミギーが助けてくれたと新一が思いを馳せる中、物語は幕を下ろす。

登場人物[編集]

著者の岩明は本作を執筆するに当たって、先に結末までのプロットを決めてから登場人物を作っていく形で本作を執筆した[9]。岩明にとっては初めての試みであったが、そうした作り方は自分に合っていたと述懐している[9]。ただし当初の想定よりも連載が長期に及び、一部の登場人物の末路やテーマ性などには変遷もあったとされる[9]。以下では原作の登場人物について説明し、特にパラサイトであると注記していない人物は、いずれもパラサイトに寄生されていない人間とする。

主人公[編集]

泉 新一(いずみ しんいち)
本作の主人公。ごく平凡な高校生[注釈 3]であったが、右手に宿ったパラサイト、「ミギー」により数奇な運命を辿ることになる。変化(詳細は後述)後は髪型をオールバックにしていたが、物語の終盤には元の髪型に落ち着く。
ミギーとの共生は、パラサイトを探知する能力と同時に探知される役目も果たし、このためもあって人間と寄生生物との中間者としてパラサイトに関する一連の事件に巻き込まれる羽目になる。また自身の安全のみを考えるミギーの意向に逆らうわけにもいかず、家族や親しい友人に己の境遇を明かすことのできないジレンマを抱え、物語の終盤までそれに苦しむ事になった。ミギーとの出会い、母親の死、学友の虐殺など、数々の悲劇や救いの経験を通じて次第に命に対する価値観死生観を変化させ、紆余曲折を経て成長していく。
ミギー
新一に寄生したパラサイト。ベッドに横たわりヘッドホンで音楽を聴いていた新一の耳から侵入できず、鼻孔から侵入を図るが失敗。その後、目を覚ました新一の右手に突き刺さるようにして侵入し脳を目指すが、新一が自身の上腕をコード[注釈 4]できつく縛り上げ阻止したため、そのまま右腕に寄生した。
好奇心旺盛で読書家。宿主の身体から直接養分を摂取しているため独自に捕食活動を行う必要はないが、その分だけ新一が大食漢になっている。新一とは通常、口頭で会話をするが、最終回のラストシーンを含めて数回、夢の中で「有線」と称する意識の共有も行っている。
寄生当初は他のパラサイトと同じく感情に乏しく、宿主と自分以外の生死には極めて冷淡かつ淡白で、人間を盾にし敵と戦う策を練るなど、人間社会の常識に外れる思考から、新一との間には大きな意識の乖離があった。その後、共存関係にある新一に対しては食事や健康を気遣い、新一の置かれている状況や精神状態に応じて考えを変更するなど柔軟な思考も持つようになり、一時の感情や自己満足に流されて行動しようとする新一を諌める事もあった。そのやり取りの中で徐々に感情に近いものを理解するようになっていき、変化(詳細は後述)を経て、互いに信頼し合えるようになる。9巻のラストには、後藤との戦いに負け自己犠牲とも取れる行動を起こしたり、死を予感した際に「きみの脳を奪わなかったお陰で、友だちとして色々な楽しい思い出を作れた」と回想するなど、この頃には新一に対して友情めいた感情を抱き、最終話には人間を「心に余裕(ヒマ)のある生物」だと賞賛するなど価値観に変化が生じている。
宇田に「きれいな言葉遣いをしている」と評されるが、これについて新一は、図鑑など主に本で言語を学んだ結果ではないかと推察している。
右腕の動きについては基本的にミギーが主導権を持つが、その委譲により「普通の右腕」として新一が動かすことも可能で、新一がそれを要求する際に「手動権」と呼んだことがある。
後藤に吸収されていた時期に、眠っている間も情報が頭を駆け抜けるという体験を得たことで更に体質が変わり、一度に複数の思考ができるようになる。そして、持ち前の好奇心からその「別世界」へと旅立つ事を決意し、新一に一方的に別れを告げた上で無期限の「眠り」についた。だがその後、物語の最後で里美がビルから突き落とされた際、新一に代わって彼女を救ったかのような描写があり、2人の繋がりが完全に切れた訳ではない事を示唆している。

新一の家族[編集]

泉 一之(いずみ かずゆき)
第1話から登場。新一の父。フリーのルポライター。新一の右手がパラサイトであることには気付いていない。夫婦水入らずで伊豆旅行した際、目の前で妻がパラサイトに乗っ取られ、自身も負傷させられ入院する。退院後はしばらく事件のショックを引き摺って悲しみに沈んでおり、悲しみを表に出さない新一に対して「鉄で出来ているんじゃないのか」との言葉をぶつけることもあった[13]
その後、自分の遭遇した事件について警察から事情聴取を受けた時、パラサイトの存在を世に知らしめることを望むが聞き入れられなかった。これを機に静かに妻の死を新一へ告げた。
泉 信子(いずみ のぶこ)
第1話から第12話にかけて登場。新一の母。専業主婦。家事は上手で、ミギーは「君の母親の作る食事はいつも栄養のバランスが取れていた」と評価している。新一が小さいころ大やけどを負いそうになるところを庇い、自らが手にやけどを負ってしまう。この記憶のため新一はその後、特に反抗期もなく育った。
夫である一之曰く、「お嬢様育ち」らしく、臆病で泣き虫な面もあるが、新一を思う気持ちだけは誰よりも強い。夫とは異なり、ミギーが取りついてからの新一の変化に気づき、強く新一を問い詰めている。
気分転換も兼ねて一之と行った伊豆の旅先で、人間部分が拒絶反応を起こし別の肉体を求めていたパラサイトに一瞬で斬首され、首から下を乗っ取られる。その後は後述のパラサイト「泉 信子」を参照のこと。

新一を取り巻く学生[編集]

村野 里美(むらの さとみ)
新一と同じ高校に通うガールフレンド中学生時代から新一を知っており[14]、受験会場で一緒だったことがきっかけに接点ができ[14]、高校進学と同時に新一と交際を始めた。新一が抱えているミギーの秘密や母親の死といった出来事については何も知らされていないが、彼の身に何かが起こって悩み続けていることには気がついている[15][16]。変貌していく新一のことを理解できないことに悩み、幾度か新一に対して辛辣な言葉を投げかけて気まずくなることもあったものの[17][14][15][18]、物語の最後まで新一のことを信じて身を案じ続ける。物語の終盤では後藤との戦いに怯える新一と結ばれ、そのことが新一にとって生き残ることへのモチベーションにもなった[12][19]
物語の中盤でパラサイト・島田秀雄が学校内で錯乱し、殺戮事件を引き起こした際には、惨殺された同級生たちの遺体を前にして恐怖で身がすくんでいるところを新一の並外れた身体能力に救われた。また物語の結末でも浦上からナイフで脅され、ミギーに窮地を救われている。しかしその内面では、自分を置き去りにするかのように「知らない世界」へと行ってしまう新一に追いつきたいという想いを抱いている[20]。最終話で浦上から、新一が隠していたミギーの秘密を暴露された際には、普通と違う部分はあっても新一は人間だと言い返し、ようやく新一を追い抜くことができたという実感を抱く。
加奈(かな)
第10話から第31話にかけて登場。新一の住む町と隣接する東福山市に住む[21]北高の女生徒で、いわゆるスケバン[22]。登場時には光夫と付き合っていたが、新一の目の中に人間以外のものを感じ、徐々に新一に異性としての興味を抱くようになる。ミギーと融合する以前の新一の人柄についてはあまり知らず[23]、融合後の彼が垣間見せるようになった凄味や野性味に魅力を感じており[24][23]、恋敵である里美が新一の変化に戸惑っているのを好機として捉えている[23]
パラサイト同士が存在を確認できる「信号」を感知する特殊な能力を持つが、彼女自身はその能力の意味を正しく理解していない。新一に宿るミギーへの反応を、新一との「運命の赤い糸」と信じ込むようになり[25]、自分の柄にもないこととして戸惑いながらも[25][23]、白馬の騎士に扮した新一に抱かれる夢を見るほどにまで想いを募らせていく[23][26][注釈 5]。この自分の想いを新一に伝えたい一心から、やがて微弱ながらパラサイトと同じ「信号」を発する事ができるようになってしまう[27]。彼女が住む東福山市の市長に広川が就任し、それらのことに危機感を抱いた新一からミギーの秘密を打ち明けられるが、その話を信じようとせず[28]、詳しい説明をするため東福山市を訪れようとした新一からの「行くまで家から出るな」という禁を破り、新一と勘違いして通りすがりのパラサイトと遭遇してしまう。捕食現場を見られ、加奈を危険な存在と認識したパラサイトの攻撃によって致命傷を負い、一足違いで駆けつけた新一の腕に抱かれ息を引き取った[26]
光夫(みつお)
第10話から第31話にかけて登場。「自称」加奈の彼氏。北高の生徒で体が大きく喧嘩も強い。新一たちの通う西高の生徒とよく喧嘩をしている。同級生との喧嘩を見かねて仲裁に入った新一に対して暴力を振るい、結果的に新一と加奈を引き合わせる。
初めは新一を圧倒しており、当時の新一の戦闘力が10なら彼は18とミギーが分析比較している。しかし新一の変化後は、喧嘩ではまるで歯が立たなくなり、加奈が新一に心変わりしていくのに苛立ち、新一に激しい嫉妬の感情を抱く。新一と加奈に絡んでいたパラサイト・島田秀雄に因縁をつけようとしたところを殴り返され、その後仲間を引き連れて報復を試みたところを新一に仲裁される場面もあった。最後まで新一の事情を知ることはなく、自分の知らないところで加奈が殺された際には、葬儀の席で号泣したのち、加奈の死に悲しんだ素振りを見せない新一に怒りをぶつけ、加奈を守ってやれなかったことを責めている[26][注釈 6]

新一とミギーの事情を知った者[編集]

宇田 守(うだ まもる)
第14話から登場。パラサイトに寄生されながらも脳が残っている人間。伊豆のホテルの従業員で、涙もろく温和な性格の、小太りの男性。かつての離婚が原因で自殺を念頭に、海の見える崖の上で物思いにふけっていたところに幼生パラサイトの襲撃を受ける。驚いた拍子に崖から海に転落してしまったものの、寄生を試みたパラサイトが宿主の生命維持に努めた為に命を繋ぐ。そのため辛うじて脳は寄生されず、鼻の下から胸までが寄生された。
彼に寄生するパラサイト、ジョーとは友好な関係を築いている。それまで他のパラサイトと遭遇した経験はなかったが、母を乗っ取ったパラサイトを追って伊豆を訪れた新一と知り合い、脳を乗っ取られずにパラサイトと共存している寄生主の境遇を分かち合える唯一の友人として連絡を取り合うようになる。寄生された「泉信子」と初めて戦闘を行い、負傷しつつも新一自身に母親を手にかけさせるべきではないという想いから戦いを助けたほか、後に倉森が田村玲子の差し金で新一の身辺を調べ回っていた際にも、新一に協力している。
ジョー
第14話から登場。宇田に寄生するパラサイト。幼生時に宇田の体内へ潜り込んだ際、海へと転落した母体(=宇田)の生命を救う事を優先した結果、脳を奪うことに失敗し、現在は顔下半分から胸部にかけて寄生している。ミギー同様、宿主の身体から直接養分を摂取しているため、独自の捕食活動を必要としない。言葉を発する時は宇田から口の主導権を奪う形でしゃべり始めることがある。
登場した当初は宇田から単に「パラサイト」と呼ばれていたが、後にそれが劇中の世界で寄生生物に対する呼称として一般化したため、後に宇田から「ジョー(下顎)」と名づけられている。宇田がテレビドラマ映画を好んで見ていた影響で、読書家のミギーに比べ言葉遣いはかなりくだけている[注釈 7]
性格は他のパラサイトと同じように極めて冷静で、泉信子の体を乗っ取ったパラサイトと戦った際には正確に状況を分析し、倒す事に成功した。母体である宇田の身体能力が低い上に、寄生箇所の問題で戦闘時は呼吸用に口を形成する余裕が無く、また宇田の頭や首に掛かる負担が大きすぎる為、スタミナ切れを起こしやすい。しかし、母体の重要な循環器の位置を直接ずらして守ることができるという、彼ならではの利点もある。
倉森(くらもり)
第32話から第47話にかけて登場。興信所の調査員。元々シャーロック・ホームズに憧れてこの職を選び[29]、推理小説を愛読しているが[30]、それが自分にとって絵空事であることも理解している[31]。妻ひとり娘ひとりの冴えない父親であったが、田村玲子に新一の身辺調査を依頼されたことを発端に、複数の不可解な事件に関わってきた人物である新一に好奇心を抱くようになる。
尾行を続けた結果、ミギーを目撃して逃げ帰るが、田村に中間報告をした際に追加調査を断わられ[注釈 8]、それを機に田村にも興味を示して探りを入れたため、広川一味に危険視される。その後、新一たちに捕った際に事情を聞かされ、深入りしないよう忠告されるが無視。田村を調査するため雇っていたアルバイトが音信不通になったことを機に、寄生生物の恐ろしさを垣間見てしまう。そのため自身の分不相応を自覚し調査から撤退する。しかしながらその後、自身は偶然難を逃れたが、代わりに妻子を殺害されてしまう。
事情聴取時に平間から妻子のかたき討ちを諭されたことから、一部は名前を伏せながらも、新一から得たパラサイト・広川一味の情報を提供した。これが後のパラサイト大量駆逐作戦へと繋がる倉森レポートとなった。
その後、復讐を果たそうとして田村玲子の子供を連れ出し、公園の高台から下の道に投げ落とそうとするが、阻止しようとする田村玲子に殺された。なお、投げ落とそうとしたのはあくまで素振りであると最期に発している[注釈 9]

警察・自衛隊の関係者[編集]

パラサイトに対抗する人間の勢力。広川集団との対決において新一と協力関係にあるが、ミギーの事情を自ら明かすまでには至らない。

平間(ひらま)
第31話から第57話にかけて登場。パラサイト対策の特命捜査を指揮するベテラン刑事。初登場時の階級は警部補、物語の途中で警部に昇進する。
パラサイトは単なる猛獣ではないとし、実際に関わりを持った人間の生の声を聞いてみることを重要視、思慮深さを発揮した。分不相応な事件に首を突っ込んだ挙句、家族をパラサイトに殺され絶望している倉森を諭し、パラサイトに関するレポートを書かせている。
加奈の死の状況に疑問を抱いており[26]、パラサイト関連事件によく遭遇する新一に対し「何かある」と感じるようになる。倉森を殺害した直後の田村玲子を尋問したのち、新一の目の前で田村を射殺している。
東福山市役所でのパラサイト殲滅作戦(以下、市役所戦)における「外環(包囲部隊)」の指揮官となった際には、パラサイト駆除のため新一に助言を請うと共に現場に呼び出したり、収監中の浦上をパラサイト判別のため自衛隊に同行させるなど柔軟な思考を見せる。射撃の腕前もあり、作戦終了時に屋上から現れた後藤の胸部を正確に狙って銃撃するが全く通用せず、後藤と相対していた新一を見て疑惑を強めた。
山岸(やまぎし)
第50話から第56話にかけて登場。陸上自衛隊二佐。市役所戦における「内環(掃討部隊)」の指揮官。パラサイト判別のために市役所中の人間を1階ホールに集めた際、指示に反して他階へ移動した広川市長以下パラサイト一味を駆逐すべく、一部隊を率いて掃討する。部下の死を目の当たりにしたり自ら人間を射殺しても顔色一つ変えず、パラサイトを「害虫」と言い切る冷徹な人物。ほぼ全てのパラサイト殲滅に成功するが、最後に残った後藤ただ一匹に自身を含め掃討部隊を全滅させられた。死の間際、武器の選択について新一の言葉を思い出し後悔する。
浦上(うらがみ)
第49話から最終話にかけて登場。人間を惨殺する事に快感を覚える殺人鬼。人間を使って「遊んだ」ため、見ただけでパラサイトを判別する事ができる能力が自然と身に付いた[注釈 10]
指名手配されて追われている中、パラサイトの存在に気がついて何をするのか興味を抱き、好奇心からリスクを冒して捕食後の現場を見に行くが、「結局自分と同じこと(虐殺)をやっているだけ」として失望し興味を失う。しかしその時の現場に偶然居合わせた警官に逮捕されてしまう。その後収監され、死刑を免れない身だったが[注釈 11]、その判別能力を見込まれて捜査活動に利用され、新一と対面した時には、彼をたじろがせるほどの威圧感を見せた。市役所戦に駆り出された際に後藤の出現による混乱に乗じ、監視役を殺害して逃走する。
物語の最終話に再登場。逃走後、市役所での騒ぎが落ち着き捜査の網が狭まる中、これ以上逃げきれないと観念し、里美を人質にとって「混ざっている」として興味を抱いていた新一と接触を図る。衝動を抑えて生きている現代の人間こそ異常であり、自分は本能に沿って生きる正しい人間の姿だと主張し、普通の人間とは違う新一に意見を求めた。しかし里美に「あんたこそパラサイト以上のバケモン」と言われた事で標的を彼女に切り替え、ナイフを里美の首に当てる。その光景を見た新一が瞬間的に攻撃に向かってきたため、ビルの屋上から彼女を突き落とすが、最後は新一のパンチによる一撃で顎部を砕かれた[注釈 12]

その他の人間[編集]

早瀬 真樹子(はやせ まきこ)
第13話から第16話にかけて登場。伊豆で民宿を営む家庭の娘で中学生。新一の両親が旅行先でパラサイトに襲われ、父を守って母の仇を討つための旅の途中[注釈 13]、高速船の中で出会う。新一によって同乗船していた生活指導教諭によるトラブルを一部回避できたことから、新一に興味を持つ。
新一が高校生一人のため怪しまれ、新一の父が入院する病院周辺のホテル・旅館に宿泊を断られていた際、偶然にも再会して家族に口添えし、彼に宿を提供することに成功する。新一が連泊するにつれ次第にほのかな恋心を抱くようになるが、彼女の祖父は新一のことを暴力団の構成員と誤解しており、新一に不信感を抱く母親からは心配され、弟[注釈 14]からはヤクザ者への好意を茶化されている。新一がミギーとの同化によって得た超人的な走力や跳躍力を初めて発揮する場面に居合わせ、その後母親を殺害したパラサイトへの復讐を終えて帰る新一を見送るが、彼の詳しい事情を知ることはなく、新一との別れを惜しむ。
裕子(ゆうこ)
第21話から第23話にかけて登場。新一の通う高校の美術部員で、島田秀雄の同級生。新一とは学年が異なることもあり面識がないが[39]、兄は犯人の似顔絵描きをする警官で、パラサイト殺人に関する泉一之への事情聴取に同席していた[13][39]。兄からの伝聞によってパラサイトの存在を断片的に知っており、島田の無表情さに興味を抱いて観察している内に、島田がそのパラサイトである事に気づく。思い悩んだ末、言葉が通じるのならばと島田に殺人をやめるよう説得を試みるが、逆に襲い掛かられ、その時に護身用に準備していた強酸[注釈 15]入りの瓶を島田に投げつけたことが彼の錯乱を引き起こし、島田による殺戮事件の引き金になってしまう。
強酸により細胞がただれた状態の島田が混乱している隙に校舎の窓から飛び降り、木に引っかかりながら落下したことが幸いし救助された。
美津代(みつよ)
第59話から第62話にかけて登場。田舎に住む老婆。後藤との戦いに敗れてミギーを失い、負傷して逃走し、山中を徘徊していた新一を数日間自宅に匿った。若い頃には街で水商売をしていたが、夫の要望で田舎に移り住み、夫の死後は一人暮らし。口は悪いが思いやりのある優しい性格で、半ば死に急ぐような態度で後藤との再戦を決意する新一を懇々と諭した。彼女から借りたを手に、新一は後藤との最後の戦いに臨み、その間は夫の遺影に新一の無事を祈っていた。返却されていた鉈を見て、新一の勝利と無事を知る。

パラサイトとそれに与する者[編集]

新一とミギーに敵対的な立場で登場するパラサイトと、その協力者たち。 パラサイトの共通点として「名前に無頓着」というものがあり、基本的に寄生元から採った名前やそれをもじったものなどを用いる。

田宮 良子 / 田村 玲子とその協力者[編集]

田宮 良子(たみや りょうこ)→田村 玲子(たむら れいこ)
第5話から第49話にかけて登場。新一の通う高校の代用かつ新任の教師として現れたパラサイト。数学教師「田宮良子」の名前と社会的立場をそのまま受け継ぎ、パラサイトの中でも特に高い知能を持つ個体。
言動を心配した実母が田宮に会いに来た際、直ちに偽者と見抜かれ、パニックに陥った実母をその場で殺害している。この時、特別な能力もない人間に正体を見破られたことから「何故だ」と疑問を持ち、やがて人間のように「笑う」という感情表現を身につけていく。
「A」襲撃事件直後に父親不明の子を妊娠していることが発覚した際、身分を捨てて姿をくらまし[注釈 16]、再登場時には名前を「田村玲子」と変え未婚の母となっている。
研究者的な探究心を見せており、パラサイト同士の生殖能力を確認する実験目的で子供を妊娠したり[41]、新一とミギーを「貴重なサンプル」として観察を続けたり、最強のパラサイト集合体である後藤を作ったりしている。なお、生まれてきた子供は普通の人間であり、「実験に使うか、用が無くなれば食う」という程度の考えで育て始める(実験するにしてももう少し育てる必要があったため)。
緻密な戦術と多彩な攻撃形態による高い戦闘能力を持ち、ミギーは「正面から戦った場合に勝ち目は無い」と言い、後藤からも「良い戦いができそうな相手」と認識されている。さらに、殺意を持った草間らパラサイト3体の襲撃を受けた際には一方的に返り討ちにしている[注釈 17]。草野からも「高い知能をもつ」と賞されている。ただし「田村玲子」として新一と再会した時には彼の強さを感じ取り、「今戦ったら負けそうだ」と話している。
思考を巡らせる中、徐々に「自分達は何のために生まれてきたのか、どこから来てどこへ行くのか」という考えに行き着く。その答えを得るため、倉森に新一の身辺調査を依頼したり、大学講義を受ける[注釈 18]など、他のパラサイトと違った立場を取るようになる。広川剛志に興味を覚え、彼が提唱したパラサイト組織の設立に協力するが、本人としてはパラサイトが生まれた目的の追求が第一になっており、設立後の組織の目的にはあまり協力的ではなく、傍観者的立場を取っていた。そのため新一とミギーを始末するという意見が出た時も、彼等との戦いは避けるように反論していた。
草野らを撃退しているさなかに、妻子をパラサイトに殺害された事を逆恨みした倉森に子供を連れ去られたため、指定された公園に赴くが、子供を盾にされた際に人間で言う母性が目覚め、反射的に倉森を殺害。さらにその直後、新一と接触し「パラサイトと人間は一つの家族であり、パラサイトは人間の『子供』」という結論に達した事を伝え終わったところを平間達に見つかり、尋問後に銃撃を受ける。子供を身を挺して守り、反撃も逃走もせずに、無抵抗のまま銃撃を受け続け、最期に新一に子供を預けるというパラサイトとしてはあり得ない行動に出る。新一にパラサイトが生まれた疑問を追求したことも伝えたのち崩れ落ちるように死亡。銃撃を受けた際、新一の母親に擬態化したため新一に大きな影響を与え、彼の「胸の穴」を塞いだ。
A
第4話から第8話にかけて登場。田宮良子が教師でいる時期に新一に紹介したパラサイト。特に名前を持たず、田宮良子が便宜的に「A」と呼んだ。新一たちと引き合わされた際、彼らの存在に強い警戒感を覚え、彼らを抹殺する衝動的な目的で彼の通う高校へ単身乗り込む。しかしながら新一とミギーに返り討ちに遭い、瀕死の状態に陥る。そのため田宮良子の肉体と同居を目論むが、田宮の罠にかかり爆死。身元不明という意味で、皮肉なことに死後も「殺人鬼『A』」と呼ばれることとなった。
その行動からミギーに「楽天的で行きあたりばったりなヤツだ」と評されている。また後には田村玲子(田宮良子)から、草野の言動を評する際に、似たタイプとして「A」が引き合いに出される場面がある。[42]。生前、田宮良子の実験に付き合う形で寄生された人間同士の性行為を試みて田宮を妊娠させており[41]、その際の赤ん坊は田宮良子に育てられることになった。
島田 秀雄(しまだ ひでお)
第18話から第25話にかけて登場。新一を観察するために田村玲子が高校に送り込んだパラサイトで、新一より1学年上の3年2組に転入生として転入してくる。体の操作が上達するという理由でスポーツを好んだ。新一たちには「人間と同じ食事を摂り、パラサイトと人間との共存を目指している」などと語った[25]。しかしこれは嘘で、実際には夜ごとにナンパした女を捕食していた[25]。「A」などとは違い表面上は理性的で、新一と明確に敵対せず接近を目論んだことから、ミギーからは「話せば分かるタイプ」と分類された[17]
後に正体を見破った同級生・裕子が突発的に投げた瓶入りの強酸[注釈 15]を浴びて細胞統制が錯乱した状態に陥り、頭部が変形したまま校内で暴れながら生徒・教師・警官の計17名[43]を殺害した。最後は屋上に出たところを、新一の身体能力と変形したミギーの連携による遠距離からの石の投擲で胸部を破壊されて絶命する[44]。公的には「覚醒剤中毒により狂暴化した少年」として発表されたが、マスコミや評論家は「人間の力ではありえない行為」として真実を追究しようとした。その死体は専門機関の手に渡り、それによって頭部を寄生されていない普通の人間との識別方法が解明されるなど、パラサイトの生命構造や特性を知るための重要なサンプルとなった[43][注釈 19]

広川集団[編集]

市長となった広川を中心に組織されたパラサイト集団で、ミギーからは「広川集団」と呼ばれている[45]。しかし一枚岩というわけではなく、当初は田村玲子と協力関係にあったが、後に草野らの独断を発端として袂を分かつことになる。

広川 剛志(ひろかわ たけし)
第20話から第55話にかけて登場。パラサイト一味に協力する政治家。後藤からは「ボス」と呼ばれる場面もある[46][注釈 20]。パラサイトに寄生されていない生身の人間だが、そのことは物語の終盤まで読者に伏せられており、劇中においても新一をはじめ、広川集団と敵対する登場人物たちからはパラサイトの一人と誤認されている[注釈 21]地球を汚し他の生物を圧迫する「人間」を憎んでおり、その思想に興味を持った田村玲子が仲間に引き入れた[注釈 22]
パラサイトの食事を安定供給させる「食堂」を提供し、広川の目的である人口抑制も実現するための組織を結成。その活動の一環として東福山市長選に出馬し当選を果たす。当選後は市長の立場を利用し、パラサイトが人目に付かずに人間を捕食するための「食堂」の管理を組織的に行うことになるが、その企みは新一を通じて倉森へと伝わり、やがて警察や自衛隊の知るところとなる。このことが仇となり本拠地となっている市役所にて警察と自衛隊との掃討部隊と戦うことになる。
市役所戦では、その気になれば何事もなく脱出できることを後藤に指摘されながらも市役所に残り、会議場で自衛隊員たちに包囲される中、自論について一席ぶった末にパラサイトと誤認されたまま射殺される。その口ぶりは完全にパラサイトの側に立ち、人間を「寄生獣」[注釈 23]として糾弾するものだった。
作者の岩明によれば、本作の連載開始時の構想では「愚かな人類に対する自然からの警鐘」といったテーマが予定されていたが、その後の世論の変化を反映してテーマに一捻りを加えたために、当初のテーマが広川に引き継がれることになったとされる[9]
後藤(ごとう)
第20話から第62話にかけて登場。田村玲子が作り上げたパラサイト集合体[注釈 24]。本作におけるラストボス的な存在。
通常は人間1人の身体に1匹のパラサイトが宿るのに対し、彼の場合は肉体に5匹のパラサイトが宿り、後にミギーを含め一時6匹となった
5匹のうち1匹が通常のパラサイト同様頭部に寄生しており、「統率者」として他のパラサイトを自在に操っている。その際、頭部は全身の制御に専念しなければならないため、自らが変形・攻撃等をしている余裕は無い。後藤というのは、その統率者としての1匹のパラサイトを指す場合もあり、これは別の統率者である三木(後述)と頭部役を交代する事もある[注釈 25]。運動性がいまひとつの三木とは違い、一瞬にして体の他のパラサイトを統率する事ができた。
初登場時は顔を変えて、暴力団事務所に白昼堂々玄関から侵入。暴力団員の殺戮を始めてからの自分の受けた攻撃をカウント、掃討後に通行人と即座に入れ替わり逃走するという実験的殺戮を行うなど、戦闘的な「演習」[49]も行っている。
頭部を統率できるのは後藤と三木の2匹で、自身以外の4匹を完全に統率できるのは後藤だけである。これについて後藤自身は三木との交代時に「できるようになったのはつい最近」と述べており、非常に難しい行為のようである[注釈 26]。また、「体の操縦」の訓練のためにショパンのピアノ曲を弾いている場面もある。
母体である人体の大半がパラサイトに置き換わっているために、かなりの自由度でその姿を変える事ができる。体はパラサイトの(プロテクター)で守られており、対向走行しているトラック同士の交差による激突の衝撃にも耐え、ショットガンの直撃を複数受けるなどしても基本的にダメージを受けない。
極めて高い戦闘能力を有しており、市役所戦では前述の防御力に加えて廊下や壁を利用した高速移動や、全身に浴びた散弾銃の弾を指先に集めて撃ち返す技術を用い、自衛隊の一部隊を単身で壊滅状態に追いやった。この時、広川を初めとする多くの仲間を失うも、前述の通り単身で戦局をひっくり返し、「戦いこそが自分の存在意義である」と自覚するようになる。しかし市役所から脱出の寸前、新一に「わき腹から血を流している」のを目撃され、これが後に仇となる。
その後は純粋な殺戮本能に従って、殺し損ねた新一とミギーを追跡。両者に追いつき戦闘を始めた。予想外の作戦に追い詰められながらも勝利し、新一から分離したミギーを取り込んだ。その後、人間の容姿を捨てて化け物となって山中に潜み、入山者を殺戮し捕食していた。
新一との最後の戦いでも終始圧倒的な実力差を見せつけたが、新一が一か八かで山中に不法投棄されていた鉄棒をパラサイトの鎧のすき間ではないかと考えた後藤の脇腹に打ち込んだところ、たまたまその鉄棒に猛毒のダイオキシン類[注釈 27]が付着しており、毒素を感知した他のパラサイトがパニックを起こしたために統制がとれなくなり形勢が逆転。その混乱に乗じて後藤の重要器官にダメージを与えつつ新一の右腕へ戻ったミギーが後藤の首へ一撃を与えた。これにより統制が取れなくなった全身がバラバラに弾け飛んだが、それでも何とか存命していた。飛び散った肉片たちへ必死に招集をかけて元の姿に戻ろうとしていたが、最後は新一の手によって、剥き出しになった内臓をで破壊され死亡した[注釈 28]
作者の岩明は後藤の存在を、「美しき野生」「偉大なる大自然の代表選手」としている[9]。連載開始時の構想では、新一は後藤にとどめを刺さず、後藤は野生化して自然へと還っていくという結末が予定されていたが、物語のテーマ性を深化させていった結果、新一はいったん後藤を殺さない決断をした後に翻意し、後藤に謝罪しながら手を下すという結末に改められたという[9]
三木(みき)
第37話から第41話にかけて登場。普段は後藤の右腕を構成するパラサイト。当初は後藤と身体を共有していることは読者に伏せられているものの、メインの統率者である後藤に代わって統率をこなすことが可能であり、その際は三木が頭部になり、後藤が代わって右腕部を務める[52]。その名前は本来の担当部位である「右手」に由来するが[53][54]、新一やミギーと対面して名前の由来に言及した際には頭部となっていたため、新一を困惑させている。
新一・ミギーへの刺客として後藤が推挙されたところに自ら志願し、「強敵との戦い」を目的に彼らの元へ赴く。向かい合っての斬り合いでは両腕を刃物化することができるという優位性を生かし、攻撃の手数で新一とミギーを圧倒した。しかし戦っているうちに、走るスピードが遅いため新一とミギーに追いつけない、両腕を変形しての攻撃をうまく扱えずに空中で衝突させてしまい勝機を逃すといった、全身を完全に統一制御できていないことによる運動性の低さを露呈し、そのことによる弱点を突かれて敗北し後藤と交代する[52]。その後名前を呼びかけられる場面はあるものの[55]、作中の描写内では「三木」として現れることはなかった。
新一が遭遇したパラサイトの中では珍しく表情が豊かで饒舌で[56][57]、陽気なお調子者のように振る舞っている。しかしそれは、その方が餌にするための人間をナンパする成功率が高いという目的の元、人間の表情を研究して真似たものであり[58]、実際には人間としての感情を身につけているわけでない。そのため微妙な機微を察することはできず、作った表情は大げさかつ場違いな場合もあり[58][59]、人間の表情とは異質なものであることをミギーからも指摘されている[59]
草野(くさの)
第27話から第45話にかけて登場。組織の幹部的役割を持つとみられるパラサイト。初登場時には後藤を乗せた車の運転手を務めており[46]、広川が市長に立候補した際には、広川や後藤と共に壇上に立っている[48]。邪魔者は手段を問わずに即刻排除するという強引で性急な考え方の持ち主。組織にとって障害となった新一と倉森の抹殺を企てたものの、その実行者が後先を考えずに倉森の家族のみを殺害し、本来の目的を果たすこと自体には失敗したという報告を受けた際には、まるで人間のように怒りの感情を発露した。彼らの無謀な行動を咎めた田村玲子を危険視し仲間と共に抹殺しようと二人の仲間を連れて急襲。しかし田村玲子の奇策により同士討ちをさせられ、仲間の一人を細切れにして殺害。勝ち誇っていたところを背後から現れた田村玲子によって首を切られ、宿主部分から切り離されたことで死亡した。「敵意」によって同族を感知できるという特性を逆手に取られ、「敵意の宿った肉片」をバラ撒いたことが仇となり彼女の接近に気づけなかった。

その他のパラサイト[編集]

イヌ
第2話に登場。新一が初めて出会ったパラサイト。人間ではなく犬に寄生してしまい、そのために学習環境ハンデを抱えていた[注釈 29]。他の犬を捕食していた時に新一に遭遇する。体を変形させ空中を飛行しながら新一を追いかけたが、飛ぶことに労力を費やして隙を生み出してしまい、難なくミギーによって倒された。
名前不明の人に寄生したパラサイト[注釈 30]
第3話に登場[注釈 31]。新一が初めて出会った、人に寄生したパラサイト。人目を引く不良のような恰好をしている。ミギーを自身の体へ誘致しようとしたものの、移動する際のリスクを考慮したミギーは動き出さず、それに焦れて新一の首を切り落とそうと刃を伸ばしたところで敢え無くミギーによって倒された。
パラサイト「泉 信子」
第11話から第16話にかけて登場。元々は若い女性に寄生したパラサイトで、「無個性派」と形容されるような、これといった特徴のない個体であった[60]。人間を捕食するために、若い男のナンパに応じて乗用車に同乗した際、シートベルトの使い方を知らなかったことが原因で男のわき見運転を招き、交通事故で人間部分の内臓に致命的な損傷を負う。その際に助かっていた男をやむなく斬首して移動するが上手くいかず、拒絶反応が起き、女の肉体でないと生き延びられないと考える。その際に偶然遭遇した新一の母親、泉信子を斬首し首から下を乗っ取る。
現場に居合わせた一之を始末しようとするが失敗。一之の消息を確認するため泉宅へ行き、新一と遭遇する。「母がパラサイトに寄生された」という現実を受け入れられずに動揺する新一の胸部を刺し貫き、普通なら「即死」[注釈 2]と形容される致命傷を負わせた。ミギーによる急場の治療措置により新一は蘇生するが、この事が新一とミギーの心身面を変化させるきっかけを作った。その後、母の仇を取ろうと追ってきた新一と対決し、異様な身体能力を得た新一によって追い詰められる。がしかし、母の姿であったことと、母の手のやけどの跡を見て新一は攻撃に対して戸惑いをみせる。その瞬間にジョーの奇襲により信子の肉体と寄生部分は切り離され、「パラサイト泉信子」は倒された。しかし、「パラサイト泉信子」が新一を刺し貫いた際の肉体的および精神的な傷痕は残り、以降も「胸の穴」と形容されるようになる。

設定[編集]

物語の舞台[編集]

本作の連載と同時代、1980年代末から1990年代初頭が舞台となっている[3]。不良生徒の描かれ方には当時の時代感が反映されており[3]、学生服のスカート丈を長くした女子生徒や、パンチパーマをかけた前髪を高く盛り上げた髪型[注釈 32]の男子生徒などが描かれている。

物語に登場する地名には主に架空の市町村名が用いられているが、物語冒頭でパラサイトに捕食された一家は主人公の自宅から約10キロメートル先に所在しているとされ[61]、その後に同名の家族がいる一家が「神奈川県××市」の自宅で惨殺されたと言及されている[62]。主人公の住む地域と隣接する自治体名として「東福山市」という架空の地名が登場しており[注釈 33]、物語後半で主人公らの敵となる広川が市長として就任するほか、登場人物のひとりである加奈の自宅や、クライマックスの舞台となる市役所が所在していると言及されている。また、主人公の母親が旅行先で殺害され復讐の戦いの舞台となる地名として「桜崎」という架空の地名が登場するが、劇中では静岡県の伊豆にに所在しているとされ[63]、主人公の家から向かうにはJR沼津駅から高速船で向かうのが最短で、三島駅からバスで向かうのが次善であると言及されている[64]

主人公たちが通っている高校は「西校」と呼ばれており、主要登場人物らの学生生活が描かれているが、原作中では正式な学校名は明かされていない[注釈 34]。他には加奈や光夫が通っている「北高」という名の隣町の高校や、「田村玲子」が講義を受けていた「東南大学」という名の大学が登場する。

パラサイトとは[編集]

元来の「パラサイト」とは寄生生物全般を表す英語parasiteである[65]。それから転じて、人間に寄生して脳を食べて体を乗っ取ってしまう謎の生命体を、劇中における日本政府・日本人が「パラサイト」と呼称している[注釈 35]。「寄生生物」にルビで「パラサイト」と表記される場合もある。パラサイト自身が自分たちを指してパラサイトと自称する場面は少なく、劇中では単に「我々」または「仲間」などと呼んでおり、「寄生生物」にルビで「我々」「仲間」などと表記される場合もある。パラサイトには細かい設定やルール付けがなされており、それらが複雑に絡み合っている。

寄生ルート[編集]

パラサイト誕生のあらまし
劇中での最初の描写は、ボール状の卵のようなものが世界中の上空にどこからともなく飛来し、地上に落下していく場面から始まる[66]。彼らがどのような経緯によって誕生したのかは劇中では明確にはされず、後の劇中の描写においても地球外生命体説、突然変異説、病気説、バイオ兵器説などが入り乱れて結論が出されていないと説明されているが[14]、作者としては地球上のどこかで発生したというイメージだったという[注釈 36]
劇中では、卵から生まれて脳を奪ったパラサイトたちが捕食した人間の遺体(食べかす)は各地で発見されたものの、パラサイトの正体を知っている人間は、当初は新一だけだったと言及されている[68]。劇中のニュースでは「ミンチ(ひき肉)殺人事件」として扱われ[69][10]、唾液も検出されたが[69]、パラサイトという存在は分からなかった。被害の中心は人口の多い都市部で[68]、物語の舞台となる日本国内だけではなく世界中で犠牲者が増えているとされ[10]、5ヶ月たっても犯人が1人も捕まっていないことから、狂信的集団の組織犯罪と認識されたと言及されている[10]。その後、徐々にパラサイトの存在が明らかになり、劇中の世界を騒がせるようになる。
寄生前の形状
卵のようなもの
毛のようなもので包まれたテニスボールほどの大きさ[70]の卵のようなものから生まれる。劇中では落下時にも衝撃で破損せず、着地時にバウンドする様子が描写されている[71]
幼生パラサイトの形態
大きめのヒルミミズのような姿(新一と宇田は当初、ヘビと誤認した[66][65])をしている。頭部にあたる部分は先端がドリル状になっており、上半身にあたる部分には小さな突起物が四方八方に数本生えている。閉じられたや、ドアのわずかなすき間から侵入する描写もある[66]。跳躍力もあり、新一に寄生したミギーはタンスほどの高さから目標めがけて飛びついており[66]、宇田に寄生したジョーは顔の高さまで地面からジャンプしている描写がある[65]
人間への侵入方法
卵から生まれるとすぐに本能に基づいて、地を這って移動し人間を探す。そしてドリル状になった先端部分を伸ばす動作の後、人間の鼻や耳など頭部の孔から侵入する[66]。この時ドリル部は強い力を発揮し、耳からの侵入に失敗したミギーやジョーの場合、皮膚や着ていたポロシャツを突き破って体内に侵入している[66][65]。その後は脳に向かって進行し、寄生に成功すると宿主の頭部および首の辺りまでが完全にパラサイトの組織に置き換わる[10]

思考的特性[編集]

本能
卵から生まれた時は、「人間の脳を奪って寄生する」という本能により行動する。続けて、寄生生物が肉体を奪うことに成功した際に発せられる本能(田宮によると「命令」)は、「この種を食い殺せ」つまり、共食いにより人間の数を減らすことだとされる[72]。寄生生物の行動パターン原理の大半はこれに従って形造られている。
基本的な思考パターン
性格には個体差はあるが、基本的には思考パターンが人間とは全く異なる。そのため、人間の感情を理解することも無く自己中心的で冷酷である。生存本能が強く、自分の生存を守るためならたとえ同種であっても他者を殺す事をためらわない。
元が擬態であるため、またパラサイトにとってその必要性がないことから、感情表現があまり無い。ただし、知能が高く経験を積んだ個体は、時に「笑い」などを自覚することがあり、特に「怒り」のような感情を作中において何度か垣間見せることがある。ちなみに島田はその無表情な顔のせいで、同じクラスの裕子から密かに「能面男」と呼ばれていた。
知性は非常に高く、テレビや本などを通してほんのわずかな時間で人間の言語を習得している。
登場時のパラサイトたちは基本的に個人行動しているが、一部のパラサイトたちは田村などを中心に時折集まり、様々なことについて話し合いで方向性を決めるなど徐々に社会的・組織的に活動するようになった。
思考変化、個性
パラサイトの思考や行動は、寄生する宿主の環境や様々な状況から影響を受けて変化し、それが個性となる場合がある。
田宮は脳を奪った当初、宿主の以前の立場をそのまま引き継ぐという珍しいタイプで[73]、その後様々な要因からパラサイトとしての性質・考え方が大きく変化した。
時が経つにつれ、田村のように人間の考え方について勉強しようとしたり、ミギーのように他人のために命を投げ出したりする変化が現れた。また、そうとは知らず「怒り」の感情を抱く草野、あえて普通の人間のように表情を変え欺こうとする三木、さらに田村は宿主の肉体が生んだ子供であるにもかかわらず、人間で言う「母性」を持って、死を覚悟して子供を守っている。
このように感情、もしくはそれに類似する物が発生した個体も存在し、その可能性については未知数なところが多い。後に田村は草野が自身のリンチを決行したことに対し、「徹底して合理的な行動・考え方をするパラサイトは、組織づくりも容易いと思っていたが、見込み違いだった。寄生生物それぞれが個体差――個性を持ったことを喜ばしく思う」と語っている[74]
名前に無頓着
考え方を表す特徴の一つに「自身の名前に対して無頓着」というものがある[75]。パラサイトたちは「大した意味はないが、便宜上とりあえず名付けた」というような名前のものが多い。劇中では、三木を除いたミギーや後藤など多くのパラサイトが異口同音に「名前なんてどうでもいい」という考えを語っている[75][54]
新一がミギーの名前を考えた時に「いらん。私は人間ではないし、ペットでもない」と一度断わっており[69]、便宜上ミギーを名乗るようになった後も名前の必要性を感じていない。また、ジョーのように、しばらくは名無しで通しており、それで十分としていた者もいる。加えて高い知性を持つ田宮良子ですらその傾向が見られ、元の立場を捨てて顔と立場を変えて別人になった後も、名前に無頓着なため元の名前に似た「田村玲子」に改名している[75][注釈 37]。三木はミギーと同じく「右腕→みぎ」という意味に由来しており[53][54]、ミギーと会った後に「ほんとにみんな呼び名に工夫がない」と気持ちを漏らしている[54]

身体的性質[編集]

身体的な特徴として、パラサイトは基本的に物を考える「寄生部分」と、元の人間や生物の肉体である「宿主」に分かれる。

寄生部分の役割
パラサイトは人間の脳を奪うと首から上と同化して全身を操り[10]、顔は同じでも元の宿主とは全く別の人格となる。寄生部分である表面を含めた頭部全体が「脳細胞」の状態となり[10][43]、脳・眼・触手・口などの役割を兼ねる[10]
一見すると一般の人間と同じだが、頭部は自由に変形しゴムのように伸縮したり、鋼鉄のように強くすることができる[10][43]。刃物の形状で攻撃する際には鉄をも切断するほど強力であり、重いものを持ち上げる腕力と動きの素早さも尋常でなく、一般人の動体視力ではその動きを捉えることすら不可能に等しい。
これらの要素を総合し、劇中に登場する学者の由井は、パラサイト細胞体のことを、わかりやすい例えとして「考える筋肉」と表現している[43]
頭部やその他の特徴
寄生体は、体のどの部分を攻撃されても痛覚を感じる様子を見せない[76]。ただし、自身が受けたダメージが命の危険が及ぶかどうかについては気づく。ちなみに、Aは痛みに弱い人間や動物を「痛がり屋」と表現して蔑視している。
加えて頭部を切りつけられても容易に再結合でき、生命や思考力に危険は無く、再度血液の循環する人体内などへ入り込めば生命を維持できる。ただし、あくまでも「寄生生物」に過ぎず、宿主の内臓や消化器官を借りて生きているため、主要な内臓の機能が失われれば死んでしまう。同じく頭部が肉体から切り離されると、その体を維持できず、死ぬ直前の形態のまま急速にミイラ化して死ぬ。
身体能力を引き出す
寄生体は、宿主の体を身体能力の限界に近い状態で長期間稼働させることが可能である。劇中に登場する学者、由井の分析によると「全身の司令塔の役割を150%も果たしきる能力を持っている」とされる[43]。作中での島田は体育の授業で優れた身体能力を活かしてスーパープレイを披露している。ただし、Aのようにコンクリートを素手で殴って腕が折れるなど、寄生部分以外の限界はあくまでも人間のままである。
また、学習能力も高く、ミギーは新一に寄生してから1日で日本語をマスターし[12]、宿主である新一の知らない間に車の運転を習得している[12]
弱点
先述のとおりパラサイトには様々な性質・特別な能力があり、少々の攻撃では防御されたり[注釈 38]、ダメージとして感じないなどほぼ影響がない。パラサイトを殺害するには寄生部位ではなく、弱点である宿主の肉体への攻撃が不可欠だが、常人が武器なしで彼らと戦うことは自殺行為に近い。有効な攻撃方法としてショットガンにより大粒の弾を心臓へ撃ち込む面的破壊が考案され[78]、人類はこれで多くの個体を葬った。
また、物理的な攻撃には極端に強靭な一方で、毒物[55]強酸[79][注釈 15]を浴びたり体内に取り込まされる、火をつけられる[78][80]などの「性質そのものを変化させられる攻撃」には耐性が低く[独自研究?]、不覚を取ることがある。

一般的生態[編集]

コミュニケーション方法
パラサイト自ら人間に寄生して脳に成り代わるため言語等は引き継がれず、寄生後にそれぞれが独自の方法、周囲の状況に応じて学習することになる。基本的には言語による会話、文字、その他、人間が持ち得るあらゆる通信手段を行使可能である。
コミュニケーションにおける最大の特徴として独自の通信手段を持っており、微弱ながら特殊な脳波のようなものを常に発信、及び受信することで、付近にいる同種の存在をお互いに感知することができるとされる[10]。受信の有効半径は約300メートルだが[10]、発信元の個体の判別についてはパラサイト同士でも難しい[26]。ただし、予め発信パターンを仲間内で決めておけばモールス信号のように簡単な通信手段として使うこともできると説明されている[75]。なお、パラサイト同士で一番強く感じる信号は「殺意」とされている[81]
この脳波は通常の人間では受信できない。なお、作中の人間では加奈だけが微弱ながら感じ取り、さらにその加奈からも信号を発信できるかのような描写がなされた。
食事
一般的なパラサイトは、本能により宿主と同種の生物(人間なら人間、犬なら犬)を主食としている。前述の通り消化器を含めた内臓は宿主のものを流用しているため、その生物の本来の食事だけでも(共食いをしなくても)生きていくことはでき、田村はそれを実証した。「人間を食い殺せ」という最初の本能があるにもかかわらず、人間を捕食しなくても生きていけることは、田村にとって自己実存の疑念となった。
また、アルコール等を摂取すると通常の人間同様に酔っぱらい、人間の顔に戻したつもりが知らず知らずのうちに顔が歪んでしまう。他にもタバコや麻薬、その他薬物など「有害物質」を含んだ人間の肉は好まない。
パラサイトが出現し始めた頃は、行き当たりばったりにその場で人間を殺して食べ、食べかす(遺体)を放ったらかしにしていた。その後、一般人に見つかると色々と面倒になることを学習して、ナンパを装うなどして人間に近づき人気のない所で襲って食し、食べかすも処分するようになった。
一部のパラサイトたちは、広川剛志を中心としたグループを結成し、人間を食す場所を「食堂」と名づけて、基本的に街中に指定されたいくつかの場所で「食事」するというルールを作った。このため、表向きは「ミンチ殺人事件」が減ったように見えたが、その代わり行方不明者数が増えることになる。広川グループはその後崩壊し、それ以外にパラサイトがグループを結成している様子は無い。また、共食いをやめて普通の人間と同じ食事に移行したパラサイトもいた。
生殖活動・寿命
寄生生物には生殖能力が無く、新しい世代を作れない。寄生体の男女が宿主部分同士で性交を行っても、生み出されるのは、通常の宿主と同種の子供である。
パラサイトの寿命は不明だが、新一が初めて会った、人間に寄生したパラサイトは「我々(自身とミギー)が管理するこの肉体なら140年は生きられるだろう」と語り、ミギーを自分の肉体に誘ったことがある。

寄生部位の分離・合体[編集]

分離・分裂
前述の通り、母体から離れたパラサイトは死んでしまうが、一時的であれば母体から離れた状態でも活動することはできる。訓練によって自らの力で母体から離れて動いたり、複数に分裂・思考することができるようにもなる。ただし、分裂体が小さくなるほど知能が落ちていき、ついには元に戻れず、その細胞は干からびて死んでしまう。ミギーの場合、分裂前に「元の通り1つに戻る」などと簡単な意思統一(合言葉)をすることで元の状態に戻っている。
ちなみに、ミギーは細胞を作り出すことは不可能であった[注釈 39]。なお新一の場合、ミギーの細胞が体中に散らばり取り込まれた際、身体能力が飛躍的に向上し、精神面にも影響があったような描写がなされている。詳細は後述
寄生部分の他者への移動・合体
同じ部位同士の移動
寄生した肉体が致命傷を負った時には手近な他の人間の頭部を斬り落とし、相手の頭部へ移動してつながりその肉体を奪うケースがある。ただし、性別の異なる体へ移動した場合は、生殖器[注釈 40]を操る方法が分からず尿を漏らすなど、更に拒否反応が起こる。
パラサイトによると脳ほど複雑でない「腕から腕」などへの移動は簡単にできるとのこと。ただし、ミギーが別のパラサイトから自分の右腕に移動(つまり合体)してくるよう誘われた時に「肉体の移動に確信が持てない」との理由で断っている[66]
別の部位への移動
初めに同化した部位よりも複雑な構造の部位(例えば「右手」から「頭部」)への移動は「操り方が分からない」という理由で不可能だが、「頭」から「手」や「足」などの逆パターンは安易。
合体
複数のパラサイトが同居する寄生体は、1体のみが寄生するものに比べ、より強力になり、前述の通り長命も得られるという。
パラサイトの見分け方
パラサイトは頭部に寄生すると、髪の毛などの頭部の毛1本1本に至るまでパラサイトの細胞となる。前述の通り、細かい細胞のため髪の毛に意思はないものの、体から離れると戻ることはできないが、生きようとしばらくもがく[43]。劇中ではこの性質を利用して、髪の毛[注釈 41]を引き抜いて「毛がもがけばパラサイト」というように人間とパラサイトを判別するという方法が考え出された[43]。劇中ではその方法が警察などの一部事情を知る政府関係者によって意図的に「噂」として流され、一般市民の間で流行したことが描写されている[43][注釈 42]
特殊な例として[注釈 43]、上記の方法を使うことなく見分けられる人間もいる。浦上は「人間」と「人間以外の何か」を判別できており、後に人間以外の何か=パラサイトであることを知り、警察に協力させられた。また、加奈は人間の集団の中に「運命の赤い糸」を感じる者がいたが、それがパラサイトだとは気づいていなかった。
人間以外の動物では、動物園から脱走したライオンが「A」と対峙した際、本能的に「自分より強いもの」として見分けて、怯えている[82][注釈 44]

寄生失敗[編集]

本来この生物は、本能的に「人間の体内に潜り込んで脳を奪って寄生すること」が目的だが、様々な理由から「寄生失敗」となることがある。

  • 人間以外の生物に間違って寄生したパターン……作中ではイヌに寄生したものが登場している。
    • このタイプでは、「同種の生き物を捕食する(共食い)」の本能は受け継がれているため、寄生した生き物(犬なら犬)を食べる。
    • 知能や戦闘能力は人間型に比べかなり劣っていたが、人語を理解しつつ拙いながらも言葉を発する。また、身軽さを活かして若干強引ではあるが、寄生部分である頭部を翼に変えて飛行するなど本来のイヌの能力を上回っていることには変わりない。
  • 侵入時のなんらかのアクシデントによって頭以外の部位に寄生(周辺組織と同化することもある)したパターン……ミギーやジョーがこのタイプである。
    • このタイプは、脳を「食べた」パラサイトと違い「宿主となった種を捕食する」という本能が目覚めない[55]という大きな違いがある。彼らは寄生部位に宿主とは独立した意思を持ち、目や口などの器官もあるため宿主と会話できるのが特徴。
    • 他のパラサイトが「寄生した脳」が変形するのと同様、寄生した部位(ミギーなら右腕)が自由自在に変形することができる。戦闘時は、ミギーは新一と会話をしながら2人で作戦を練って、協力して攻撃と防御を織りまぜながら戦う。しかし、宇田の場合は寄生部位が「口から胸のあたり」ということで変形すると会話はできず、鼻だけで呼吸するので息苦しくなる。
    • 食事に関して、同種の生き物を共食いするという本能がないため[55]、人間から養分をもらっており、そもそも食欲というものがない。ミギーの場合は食事の味は全く関係なく、むしろ栄養バランスを気にかけていた。また、普通よりも栄養分が必要になるためか、新一は寄生されて以降、食欲が旺盛になった。
    • 脳に寄生したタイプと遭遇した場合、「危険な存在」と認識され、抹殺される危険性が高い。さらに新一は上記の犬に寄生したタイプからも攻撃されている。

新一とミギーの変化[編集]

新一は物語の途中で母の体を乗っ取ったパラサイトに胸部を貫かれ、心臓への直撃により客観的には「即死」[注釈 2]と形容されるようなダメージを受ける。しかし脳死に至る前にミギーが新一の体内に潜り込んで一時的に心臓と一体化し[8]、蘇生を行いながら損傷を修復したことにより一命を取り留めた。しかし、その際、ミギーの体組織が心臓から拡散し、全身に混ざったことで影響(副作用)が起きている。

新一の変化
肉体面
「オリンピック選手並み」と形容されるほどの俊足や[83]、助走なしで3メートルの壁を跳び越える跳躍力[83][84]、片手で大人一人を放り投げてコンクリート壁を崩すほどの怪力[85]、人ひとりを抱えたまま数メートル下へ飛び降りて爪先で着地しても平気な強靭な足腰[86]、異様な動体視力[87]や聴力[88]など、常人離れした身体能力と五感を身につけた。その能力はミギーが眠っていても独力でパラサイトに対抗できるほどだが、更にミギーが防御・新一が攻撃を行う「分業」という作戦により、並の個体では歯が立たない戦闘能力を得た。
精神面
パラサイトのような感情鈍磨や、異常なほどの感情の切り替えの早さが生じる結果となり、感情を揺さぶられても涙を流すことができなくなった[注釈 45]。精神的な動揺から即座に立ち直ることができる強みを得た反面、こうした変化は新一の振る舞いを冷酷な人物のように見せることになり、家族や友人たちを困惑させ、また新一自身もそのことに苦悩するようになる。この原因を、ミギーは新一が生物として強くなった影響であると推測したのに対し[14]、新一はミギーの一部が自分の心に混じった結果であると考え[48]、気がつかないうちに脳まで乗っ取られているのではないかという不安を抱くが[26]、その一方で里美は新一が人知れず抱える苦悩が大きすぎるためにそのような精神状態になったのだと察する[15]。劇中では、どの推測が正しかったのかという明確な結論は出されないが、新一は後に田村玲子(田宮良子)の最期に立ち会うことで精神の安定を取り戻す。
ミギーの変化
治療を行った際、パラサイトとしての性質に突然変異をきたし、一日のうち連続して4時間程度、不定期に同属を察知する能力さえ働かない「完全な眠り」に陥るようになった(眠る前に形質を変化させておけば、眠っている最中も維持される)。この間は、普段よりさらに発信する「信号」が弱くなる。同時に新一の全身に散らばった全体の1/3にあたる寄生細胞が回収不能なため、腕の付け根まであった寄生部分が肘の上あたりまでとなった。

評価[編集]

早稲田大学教授・文芸評論家の加藤典洋は「文学を含め、戦後のベストテンに入る」としている。また「進路選択に迷ったとき、あるいは大学の授業がつまらないと感じたとき、異性にふられて悲しいときに読んでみることを薦める」としている[90]

評論家哲学者鶴見俊輔はこの作品を「人生、2度目の衝撃でした」[91]、「生涯に読んだもっともおもしろい本のひとつ」と評しており、夕食後読み始めて全巻を読了したときには夜が明けていたという[92]竹田青嗣も当作品を薦められた際に徹夜したが、その結果喀血し、結核の疑いで約1か月病臥した。

心理学研究家の山竹伸二は書評“親殺しの文学”において「誰かが救うのではなく、自分自身で救う」という、外側からの救出ではない内側からの自己救出の物語として、村上春樹の『海辺のカフカ』と共に『寄生獣』を挙げている[93]

福本伸行はお勧めの漫画のベスト3を挙げるよう求められた時、その中の一つに挙げている。[94]

受賞[編集]

書誌情報[編集]

実写映画化およびテレビアニメ化が発表された2013年時点での累計部数は1100万部で[1][2]ベストセラーとなっている[91]。メディアミックス化されていない漫画作品が完結後20年近くも売れ続けて1000万部を突破するのは希なことである[95] 。実写映画版が公開された2014年時点の累計部数は1300万部となっている[6]

単行本[編集]

完全版[編集]

完全版では連載当時のカラー原稿がカラーページとして収録されている[91]

新装版[編集]

表紙を変更した新装版が発売されている。ISBNがアフタヌーンKC版と異なる。完全版と異なりカラーページはない。

文庫版[編集]

2003年の『寄生獣(完全版)』に準じた内容を文庫サイズに縮小して発売された[98]。完全版と異なりカラーページはない。

コンビニコミック版[編集]

実写映画版の公開に合わせる形で、コンビニエンスストアを通して流通する形態の廉価版がコンビニコミックとして発売された。ペーパーバックの装丁で、アフタヌーンKC版の単行本全10巻分の内容を全3冊に収録しており、表紙には実写映画版の写真が用いられている。

電子書籍[編集]

本作の電子書籍版は、アフタヌーンKC版の単行本に準じた内容の通常版のほかに、連載当時にはモノクロであったページにも彩色を施した全10巻の『寄生獣 フルカラー版』が、2014年2月21日から2014年5月9日[105]にかけて発売されている。

他言語版[編集]

2013年10月現在、以下の6か国語に翻訳されている。

中国語版(『寄生獸』)
台湾の東立出版から1998年9月に全10巻で刊行された。香港の天下出版から全8巻で2005年に刊行された。
イタリア語版(『Kiseiju: L’Ospite indesiderato』)
1998年10月にPhoenix Enterprise が刊行を始めて、第4巻から第8巻(完結)まではMagic Press が刊行した。
英語版(『Parasyte』)
Mixx (Tokyopop) 版は1999年から2002年にかけて全12巻で刊行された。Mixx 版では左開きに対応させるため、原作の左右を反転させており、「ミギー」の名前も「Lefty」(左利き、左派)と改められている。また新一は「Shin」、田村玲子は「Tamara Rockford」となっている。
Del Rey 版は2007年から2009年にかけて全8巻で刊行された。右開きに戻され、翻訳と登場人物の名前も原文に忠実に改められた。
Kodansha America 版は2011年から2012年にかけて全8巻で刊行された。
フランス語版(『Parasite』)
Glénat 社から全10巻で2002年11月から2004年8月にかけて刊行された。
韓国語版(『기생수』)
鶴山文化社から全8巻で2003年に刊行された。
タイ語版(『ปรสิต』)
Siam Inter Comics から全8巻で2011年に刊行された。

テレビアニメ[編集]

寄生獣 セイの格率』(きせいじゅう セイのかくりつ)のタイトルで、2014年10月8日より日本テレビほかで放送中。全24話予定[106]

テレビアニメ化の発表は、同年の実写映画版の発表と同時に行われた[2]。テレビアニメ化が発表された2013年頃における映画・放送業界では、実写映画とテレビアニメの企画を同時進行させることが多く行われており、本作の同時映像化もその流れに沿ったものである[2][107]。こうした商業展開には、原作に準拠した内容のテレビアニメ版で原作の世界観を視聴者の間に浸透させた上で、原作とは別物という認識が一般的となっている実写映画版へと繋げるという意図が込められている[107]

原作漫画が連載当時の時代を舞台としており、不良生徒の描かれ方などに当時の時代性を感じさせる描写がされていたのに対し[3][108]、テレビアニメ版では物語の舞台が21世紀に変更されており[106][3]、インターネットやスマートフォンの普及など、テレビアニメ版の放送開始時点における世相を反映させた日常風景が描写されている[3]。また多くの登場人物の外見は、原作者である岩明の了承を受けた上で原作漫画から変更されている[109][108]。これについてプロデューサーの中谷敏夫や、テレビアニメ版のキャラクターデザインを務めた平松禎史は、原作における普遍的な部分は連載開始から26年が経過した現在においても変わっていないとし、これを現代の出来事として視聴者に見せるためのアレンジだったとしており[110][108]、物語の舞台となる時代は置き換えつつ、変更は表層的な部分のみに留めるようにするという意識が制作スタッフの間で共有されていたとしている[110]。放送前にキャラクターデザインが発表された際には原作読者の間で賛否両論を起こしたが[3]、本編の内容は原作の台詞や伏線を忠実に拾ったものとなっている[3]

パラサイトが人間を殺戮する場面の残酷表現は、闇雲に除外してしまっては原作の持つ哲学を表現できないという考えから、細部に渡って検討を重ねることで、表現規制や視聴者層との折り合いをつけることが試みられた[108]

登場人物(アニメ)[編集]

泉 新一
島﨑信長
主人公。テレビアニメ版では容姿にアレンジが施され、目鼻立ちは原作に沿った容姿となっているものの[109]、登場当初は眼鏡をかけており原作とは印象を異にする姿で描かれている[109][3]。しかしこの眼鏡は新一の変化や成長を表現するための小道具で[109]、第6話でミギーとの融合が進んでからは眼鏡を外すようになり[注釈 46]、さらに第7話で母親の仇との決着がつき復讐を終えた後には、原作同様に髪型をオールバックにして登場する。オープニング映像では第1話の時点から後者の姿も描かれている。
物語開始時の年齢には差異があり、原作では物語序盤の時点で高校1年生であったが[注釈 3]、テレビアニメ版ではその時点から高校3年生となっている[112][113]。新一が通う高校は、原作では単に「西校」と呼ばれていたが、テレビアニメ版では「西福山市立西福山高校」という架空の学校名が設定されている[114]
ミギー
声 – 平野綾、moving effect – Rinka
新一の右手に寄生したパラサイト。原作のミギーは、新一の協力で図書館から借りた本で知識を得ていたのに対し、テレビアニメ版では時代設定の変更を反映し、タッチパネル式スマートフォンやデスクトップパソコンを用いて、インターネットからも知識を得るという描写に変更されている[3]。ミギー役の声を演じた平野綾によれば、第6話で新一との融合が進んでからの演技をそれ以前と演じ分けているといい、それ以前は独り言のような調子で喋っていたものが、若干ながら人間らしい会話をするように変化したとされる[115]。ミギーが動くときの効果音はヒューマンビートボクサーのRinkaが担当している[116]
村野 里美
声 – 花澤香菜
ヒロイン。新一と同じ学校に通う[注釈 47]ガールフレンド。テレビアニメ版では容姿が変更され、前髪を髪留めでまとめて額を出したポンパドゥールの髪型になっている。
君嶋 加奈(きみしま かな)
声 – 沢城みゆき
第5話から第12話にかけて登場。隣町の高校の不良少女。原作では「スケ番」[22]と形容されるような昭和の不良少女として描かれていたが、テレビアニメ版では制服のスカート丈が短くなりイヤーマフを常用するなど容姿や服装が変更され、また「君嶋」という姓が設定されている。基本的には原作と同じ役回りを演じるが、テレビアニメ版ではスマートフォンに保存した新一の写真や、新一の髪の毛を大事に持ち歩くなど独自の描写がされ、ミツオから「ストーカー」と形容される一幕も描かれた[120]。原作では加奈が外出していたため新一と電話で連絡が取れず、最期を迎える展開となっていたが、テレビアニメ版では自分の超能力を試すために敢えてスマートフォンを部屋に置いていく描写に改められている[120]
立川 裕子(たちかわ ゆうこ)
声 – 安野希世乃
原作では物語中盤において島田秀雄の同級生[注釈 48]として合計3話のみ登場する人物であったが、テレビアニメ版では第1話からレギュラーキャラクターとして登場している。容姿や、美術部員で兄が警察官[注釈 49]などの設定は原作を踏襲しつつも、「立川」という姓の、新一の同級生という設定に変更されており[122]、島田秀雄とは学級が異なっている[119]
テレビアニメ版では里美の幼馴染という設定で[123]、新一と里美の間柄を取り持とうとする。アキホからは、里美と共に新一に好意を寄せる恋敵の一人として認識されていたが、裕子自身は慌てて否定している[119]。転校してきた島田秀雄の観察を続けているうちに正体を悟り、そのことを問いただそうとして襲われ、薬品の入った瓶を投げつけて島田から逃げるという役回りは原作同様だが、テレビアニメ版では島田に異性としての好意を抱いたために観察を始めたという経緯が描かれている[124][119][125]。原作では逃れた後の様子は語られていないが、テレビアニメ版ではその後も登校し、新一や里美と会話を交わす様子が描かれている。
鈴木 アキホ(すずき アキホ)
声 – 前田玲奈
新一の同級生。テレビアニメ版のオリジナルキャラクター[123][109]。明るい性格で[109]、そばかすのあるポニーテールの女子高校生。新一に密かな想いを寄せているが、彼には気づかれていない。第8話では里美との仲を深める新一を半ば諦めており、転校してきた島田秀雄に好意を抱いた。その他にも、原作において端役であった複数の生徒たちの台詞を担う描写がされている。
田宮 良子 / 田村 玲子
声 – 田中敦子
高校教師として赴任してきたパラサイト。テレビアニメ版では妊娠してから年単位の時間が経過した描写がされていないものの、原作同様に人間の赤子を出産し、おおむね原作に準じた描写がされている。第4話に登場した田宮良子の母親の声は藤生聖子が演じている。
浦上
声 – 吉野裕行
人間の殺人鬼。テレビアニメ版では第1話にも登場し、快楽殺人にふける最中、パラサイトの卵のようなものが空から飛来するのを目撃する姿が描かれている。
泉 一之
声 – 相沢まさき
新一の父親。原作に忠実な容姿で描かれている。テレビアニメ版ではタブレット(スレート型PC)で新聞を読み携帯電話を使いこなす人物として描写されているが、第5話ではいずれもパラサイトに襲われて海に落ちた際に水没して破損し[126]、新一に助けを求める際には原作通りに公衆電話を使う描写がされている。
泉 信子
声 – 笹井千恵子
新一の母親。原作とは髪型や服装が異なるが、原作と同様の役回りを演じる。第5話でパラサイトに背後から襲われた際には、伸ばしていた後ろ髪を首ごと切断されたことを示唆する描写がされており、パラサイトに寄生されて以降は、髪を肩口で斜めに切り揃えた髪型で登場する。
長井 和輝(ながい かずき)
声 – 浜添伸也
新一の同級生の不良少年。里美に想いを寄せており、彼女と仲の良い新一に喧嘩で決闘を申し込むが、ミギーの反撃を受けて逃げ出す[127]。後にミツオの所属する他校の不良グループに叩きのめされたところを新一に助けられるが、後に新一が里美を人質に取られてミツオに叩きのめされていた際には、仲間を引き連れて助太刀する[128]。その後も新一の同級生として登場しており、パラサイト・島田秀雄が転校してきた際には、新一との会話に割り込もうとして島田に殴られている[119]
原作では第4話に、「古谷」という名の同級生が里美に横恋慕して新一に決闘を挑む場面が、原作第10話には「長井」という同姓の同級生[注釈 50]と光夫のエピソードが、原作第18話には島田に殴られる上級生のエピソードがあり、原作において端役であった複数の生徒の役割を担っている。なおテレビアニメ版には古谷タク(声 – 榎木淳弥)という名の新一の同級生が登場しているが、原作の古谷とは容姿も役回りも異なっている。
B
声 – 奈良徹
第2話に登場。テレビアニメ版では、新一が初めて遭遇することになる人間に寄生したパラサイトに、「B」という名前が設定されている[129][注釈 51]。ただし劇中でそのように呼ばれることはなく、由来も不明[注釈 52]。容姿は大きく変更されているが役回りや台詞は原作と同様。
A
声 – 保村真
第2話から第4話にかけて登場。田宮良子の仲間のパラサイト。テレビアニメ版第2話では、原作第3話冒頭に登場したサラリーマン風の外見をしたパラサイト(声 – 相沢まさき)も「A」であったとされている[注釈 53]。一方で原作第4話の、動物園から逃げてきたライオンと戦うエピソードは削られている。田宮良子によって新一やミギーと引き合わされてからは原作に沿った描写となっているが、第4話では、田宮良子に誘い出されて最期を遂げる経緯が具体的に描かれている。
ミツオ
声 – KENN
第5話から第12話にかけて登場。隣町の不良少年。原作では「光夫」という名前で表記されていた人物だが、テレビアニメ版では漢字ではなくカタカナで役名が表記されている[130][131]。原作では大柄な昭和の不良生徒風であった外見が変更され、痩せていてニット帽を被った茶髪の若者という容姿に変更されている。また、テレビアニメ版のミツオは学生であるのか否かが曖昧な描写となっている[注釈 54]。西高の生徒に囲まれた際には多勢に怯まず向かっていくなど[128]、テレビアニメ版独自の描写もあるものの、基本的には原作の光夫と同じ役回りを演じる。
真樹子[注釈 55]
声 – 芹澤優
第6話から第7話にかけて登場。新一が旅先で出会う少女。乗り合わせた船の中で出会い民宿で再会し、その後新一が劇中で初めて超人的な身体能力を発揮する場面に立ち会うという骨子は原作に準じているが、テレビアニメ版では新一と出会う経緯や、家族の描写が削られている。着ているセーラー服は、原作では夏服だがテレビアニメ版では冬服。
宇田 守
声 – 鈴木琢磨
パラサイトに寄生されながらも脳が残っている人物。概ね原作に準じた描写がされている。原作では斜線で表現されていた頬の赤みの表現は、赤丸ほっぺとして表現されている[注釈 56]。テレビアニメ版では折り畳み式の携帯電話(フィーチャー・フォン)を所持しており[132]、原作では公衆電話を用いて新一と連絡を取り合っていた描写[65]が変更されているが、原作同様、パラサイト同士の信号を用いて新一と近距離通信を行う様子も描写されている[75][133]
ジョー[注釈 57]
声 – 村瀬歩
宇田の下顎に寄生しているパラサイト。原作のカラーページにおいては瞳の色は黒茶であったが[134]、テレビアニメ版では鮮やかな緑色となっている。
島田 秀雄
声 – 石田彰
第8話から第10話にかけて登場。田宮良子が新一の学校に送り込んだパラサイト。一人称は「ぼく」[注釈 58]。アキホからは「ヒデ」というニックネームで呼ばれる。原作では新一とは学年が異なる設定であったが[17]、テレビアニメ版では同学年となっており、里美の同級生という設定になっている[119]。裕子から投げつけられた薬品は、原作では硫酸であったと言及されているが[79][注釈 15]、テレビアニメ版では同年の実写映画版と同様、油彩剥離剤になっている[135]
広川 剛志
声 – 水島裕
第9話から登場。パラサイトに与する政治家。
倉森 志郎(くらもり しろう)
声 – 二又一成
第13話から第17話にかけて登場。興信所の調査員。テレビアニメ版では「志郎」という名が設定されている。原作では写真フィルム式のスチルカメラを所持していたが、テレビアニメ版ではデジタル式のカムコーダを用いて新一を付け回す描写となっている。
草野
声 – 青柳尊哉
第11話から第17話にかけて登場。広川勢力に所属するパラサイト。原作でも行動を共にしていたパラサイトの女性は、テレビアニメ版では氷川(声 – 大本眞基子)という名前が設定された。
三木
声 – 浪川大輔
第15話から第16話にかけて登場。後藤の右腕を構成するパラサイト。表情豊かなパラサイトであるという設定や、新一やミギーと戦う際に後藤の前座を務めるという役回りは原作通りだが、テレビアニメ版では他のパラサイトとの会話内容が削られ、表情が豊かな理由の説明などが語られていない。
後藤
声 – 井上和彦[注釈 59]
第11話から登場。広川勢力に所属する、頭部と四肢に5体が融合したパラサイト。
平間
声 – 鈴木琢磨
第12話から登場。パラサイトたちが引き起こした事件を追う刑事。
パラサイト犬
声 – Velo武田
第1話に登場。新一が初めて遭遇したパラサイト。原作では単に「イヌ」と呼ばれていたが、テレビアニメ版では「パラサイト犬」という役名が設定されている[136][注釈 60]。原作では首輪をつけていない中型犬として描かれていたが、テレビアニメ版では外見が変更され、ドッグウェアを着せられた小型犬として描かれている。役回りや台詞は原作を踏襲している。

スタッフ[編集]

アニメスタッフの情報は、日本テレビ公式サイト『寄生獣』に基づく。

  • 原作 – 岩明均(講談社アフタヌーン」所載)
  • 監督 – 清水健一
  • 監督補佐 – 山城智恵、川村賢一(10、13、16話)
  • シリーズ構成 – 米村正二
  • キャラクターデザイン – 平松禎史
  • サブキャラクターデザイン・総作画監督 – 小丸敏之
  • プロップデザイン – 垪和等
  • アニメーションディレクター – 垪和等、菅野芳弘、Yang Byung-Gil、水谷正之
  • 美術監督 – 赤井文尚
  • 色彩設計 – 橋本賢
  • 撮影監督 – 伏原あかね
  • CG監督 – 福士直也
  • 編集 – 木村佳史子
  • 音響監督 – 山田知明
  • 音楽 – Ken Arai
  • 音楽プロデューサー – 千石一成
  • プロデューサー – 中谷敏夫、稲毛弘之、桐本篤、大島由香、塩入聡太、深田大介
  • アニメーションプロデューサー – 林雅紀
  • アニメーション制作 – マッドハウス
  • 製作 – 日本テレビ、バップ、フォアキャスト・コミュニケーションズ

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Let Me Hear」
歌 – Fear, and loathing in Las Vegas
エンディングテーマ「IT’S THE RIGHT TIME
歌 – 三浦大知

各話リスト[編集]

サブタイトルはすべて書籍の題名から採られている[注釈 61]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
stage:1 変身 米村正二 清水健一 山城智恵 平松禎史
stage:2 肉体の悪魔 葛谷直行 吉田徹、垪和等
stage:3 饗宴 藤田伸三 澤井幸次 嶋謙一
stage:4 みだれ髪 米村正二 佐藤雄三 石田暢 芦谷耕平
stage:5 異邦人 高橋亨 又野弘道 山崎展義
stage:6 日はまた昇る 青山弘 山城智恵 櫻井邦彦
stage:7 暗夜行路 藤田伸三 細川ヒデキ 稲葉友紀 Kim Bong Duck
さゆみれい、原田理恵
stage:8 氷点 米村正二 澤井幸次 嶋謙一
stage:9 善悪の彼岸 藤田伸三 原博 川村賢一 芦谷耕平、垪和等
stage:10 発狂した宇宙 米村正二 三條なみみ 白石道太 川村有希、川村幸紀
中小路佳毅、松下純子
窪敏、篠田章
stage:11 青い鳥 宍戸淳 又野弘道 山崎展義
stage:12 こころ 清水健一 山城智恵 櫻井邦彦
stage:13 悲しみよこんにちは 藤田伸三 佐山聖子 葛谷直行 原田峰文、崎口さおり
上原史也、窪敏
stage:14 利己的な遺伝子 米村正二 澤井幸次 嶋謙一
stage:15 何かが道をやって来る 藤田伸三 青山弘 石田暢
川村賢一
垪和等、芦谷耕平
stage:16 幸福な家庭 米村正二 三條なみみ 稲葉友紀 原田理恵、牙威格斗
LIM SEUNG BONG
stage:17 瀕死の探偵 藤田伸三 澤井幸次 又野弘道 山崎展義
stage:18 人間以上 米村正二 佐山聖子 山城智恵 櫻井邦彦

放送局[編集]

日本テレビ系列 / 放送期間および放送時間[137]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [138] 備考
2014年10月9日 木曜 1:29 – 1:59(水曜深夜) 日本テレビ 関東広域圏 製作局
2014年10月18日 土曜 1:55 – 2:25(金曜深夜) 鹿児島読売テレビ 鹿児島県
土曜 2:00 – 2:30(金曜深夜) 札幌テレビ 北海道
土曜 2:25 – 2:55(金曜深夜) ミヤギテレビ 宮城県
2014年10月21日 火曜 1:59 – 2:29(月曜深夜) 福岡放送 福岡県
2014年10月22日 水曜 2:30 – 3:00(火曜深夜) BS日テレ 日本全域
2014年10月23日 木曜 2:04 – 2:34(水曜深夜) 静岡第一テレビ 静岡県
2014年10月24日 金曜 2:14 – 2:44(木曜深夜) テレビ信州 長野県
2014年10月25日 土曜 2:55 – 3:25(金曜深夜) 南海放送 愛媛県
2014年11月2日 日曜 2:05 – 2:35(土曜深夜) 福島中央テレビ 福島県
2014年11月4日 火曜 3:08 – 3:42(月曜深夜) 読売テレビ 近畿広域圏 MANPA』 第3部
2014年11月6日 木曜 1:59 – 2:29(水曜深夜) 広島テレビ 広島県
2014年11月23日 日曜 1:39 – 2:09(土曜深夜) 長崎国際テレビ 長崎県
2014年12月8日 月曜 1:20 – 1:50(日曜深夜) テレビ大分 大分県
2015年1月31日 土曜 1:30 – 2:00(金曜深夜) 日テレプラス 日本全域 リピートあり[注釈 62]
日本国内 インターネット放送 / 放送期間および放送時間[139]
配信期間 更新時間 配信サイト 備考
2014年10月9日 – 木曜 0:00(水曜深夜) 更新 日テレオンデマンド
Hulu
木曜 23:00 – 23:30 ニコニコ生放送
木曜 23:30 更新 ニコニコチャンネル 第2話以降無料期間なし
2014年10月10日 金曜 0:00(木曜深夜) 更新 GyaO!
金曜 12:00 更新 バンダイチャンネル
dアニメストア 見放題サービス利用者は全話見放題

BD-BOX / DVD-BOX[編集]

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
I 2015年3月18日予定 第1話 – 第12話 VPXY-72950 VPBY-29918
II 2015年7月22日予定 第13話 – 第24話 VPXY-72955 VPBY-29921

映画[編集]

2部構成の実写映画作品として第1部が『寄生獣』のタイトルで2014年に公開され、第2部『寄生獣 完結編』が2015年に公開予定[1]。監督・山崎貴により、主演の染谷将太が新一を演じ、画面上はCGで表現されるミギーの声とパフォーマンスキャプチャーとして阿部サダヲ[140]、そのほか主要キャストとして深津絵里橋本愛らが出演した[1]。脚本は山崎と古沢良太の共同により、原作にあったモチーフを強調する形で設定を変更し、一部の人物を省き、時代設定を公開当時の現代に合わせるなどのアレンジが行われた。

製作に至るまでにはハリウッドニュー・ライン・シネマが映画化権を10年近くにわたり保持していたが、製作されないまま契約期間が終了し、その直後より日本国内数十社による争奪戦の末東宝が権利を獲得し映画化された[2]。第1部公開後、島田秀雄を演じた東出昌大が『クローズEXPLODE』の演技と合わせ日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎新人賞を受賞している[141]

ムービーコミック[編集]

原作漫画にセリフ・サウンドを加えたもの。2014年11月20日よりNTTドコモの動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」にて配信中[142]。第2話以降は毎週月曜日更新。全20話予定。なお主題歌はテレビアニメ版のエンディングテーマ「IT’S THE RIGHT TIME」を使用する。

キャスト[編集]

スタッフ(ムービーコミック)[編集]

  • 原作 – 岩明均(講談社刊)
  • 演出 – 石川孝樹
  • プロデューサー – 内部健太郎、龍貴大、須藤洋子
  • ナレーション – 山本兼平
  • 制作 – THE EINS
  • 製作 – BeeTV

各話リスト(ムービーコミック)[編集]

話数 サブタイトル
第1話 侵入
第2話 野獣
第3話 接触
第4話 殺気
第5話 勉強好き
第6話 田宮良子
第7話 襲撃
第8話 種(しゅ)
第9話 母親

関連書籍[編集]

  • リチャード・ドーキンス利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店、1991年) ISBN 4314005564
    • 『寄生獣』作品中、田村玲子が大学で学ぶ講義で言及される他、中盤以降の背景に置かれている。
  • パラサイト博物誌編集部『寄生獣の秘密』(データハウス、1994年) ISBN 9784887182363
    • 『寄生獣』をテーマとした研究本
  • ぱふ』1995年3月号
    • 著者インタビュー
  • 佐倉統『生命をめぐる冒険 進化・ミーム・コンピュータ』(河出書房新社、1998年) ISBN 4309250955
    • 『寄生獣』論から人工生命や情報などのテーマを説き起こした論考。
  • 熊田一雄『“男らしさ”という病? ポップ・カルチャーの新・男性学』(風媒社、2005年) ISBN 4833110679
    • 『寄生獣』が読者に強烈な衝撃を与える背景を社会学的に考察した論考が収録されている。
  • 青土社『現代思想』2006年12月号 ISBN 4791711572
    • 杉田俊介「自立と倫理・カントとともにある『寄生獣』、『寄生獣』によるカント」 p152 – p170

フィギュア[編集]

月刊アフタヌーン2003年5月号では、ミギーのフィギュアが付録化された。その後、月刊アフタヌーンでは2014年の映画公開に合わせ、2014年12月号(2014年10月25日発売)にて再びフィギュアの付録を予告していたが、フィギュアの一部に不具合があったため、直前になって本誌の発売そのものが中止。本誌自体は10月30日に付録抜きで発売されたが、フィギュアはお蔵入りとなった。

2014年にはタカラトミーアーツより、ミギーのソフトビニール製のフィギュアやぬいぐるみが発売されている[143]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 詳細は「#映画」の節を参照。
  2. ^ a b c 劇中で新一の胸を刺し貫いたパラサイトは「心臓を貫いた。人間部分は即死だ」と述べている[7]。傷の状態を見たミギーも「心臓への直撃」であったと述べている[8]
  3. ^ a b パラサイト「田宮良子」が赴任してきた時点では高校1年生[10]、母親を殺害された時点では高校2年生で16歳[11]。物語終盤で「後藤」と対決する際には高校卒業を間近に控えており[12]、クライマックスから1年後となる最終2話では大学合格を目指して浪人生をしている。
  4. ^ 劇中では「コード」で縛ったと言及されているが、それまで音楽を聴いていたヘッドホンのコードを使ったのか、何かの電源コードを使ったのかははっきりとした描写がない。2014年のテレビアニメ版ではヘッドホンのコードを、同年の実写映画版では電源コード用いる描写となっている。
  5. ^ 加奈自身は自分の見た夢を思い返して爆笑していたが[23]、夢の中の新一は右手を剣に変化させ、頭が口になっている怪物と戦っている。加奈の死の間際にはその光景が現実のものとなり、夢のことを思い返している[26]
  6. ^ その際にも逆上した新一に反撃されて叩きのめされている。
  7. ^ エピローグではアメリカン・コメディの翻訳調セリフ回しに似せた表現を披露するなど、作中他のパラサイトにはあまり見られないユーモアもある。
  8. ^ その際、彼の慌てふためいた滑稽な動作が、田村に「笑い」の感情を芽生えさせた。
  9. ^ その他、倉森の復讐行動は田村の母性本能を自覚させる契機となっている。
  10. ^ 感覚的なものではなく、視覚的にも別の存在として捉えられるようで、後藤を目の当たりにした際には「あれが人間に見えたのか」と言っている。さらに、新一とミギーが「混ざっている」事をも見分けている。加奈のように信号を送受するような力ではないため、パラサイトから狙われることは無い。
  11. ^ 劇中では警察官や自衛官から「殺人犯」[32][33][34]「殺人鬼」[35]と呼ばれており、浦上自身も自分のことを「死刑は決まってた」[36]「吊るされる」[37]と述べている。ただし既に死刑判決が確定している死刑囚なのか、言い逃れが困難な状況に置かれている被疑者(容疑者)であるのかは、劇中では明言されていない。また逮捕時には伸ばしていた髪を丸刈りにしているが、刑が確定して拘置所に収容される際に強制的に丸刈りにされたのか、刑が確定する前に留置場で自発的に散髪を申し出て刈ってもらったのかも明らかではない。未決囚が留置場で丸刈りを強要されることはない。死刑囚ならば超法規的措置を除き法的に拘置所外に出ることはできない。
  12. ^ その後の容態は不明。
  13. ^ 劇中において新一は真樹子の家族に対して、旅の目的は父親の見舞いが目的であると受け取られる発言をしており、実際に見舞いにも行っている。しかし新一はモノローグで、母を殺害したパラサイトへの復讐と、狙われている父をパラサイトから守るのが主な動機であるかのような発言もしている。どちらが主目的であったとも解釈できる描写だが、主人公に関しては原作と同様の描写がされているテレビアニメ版『セイの格率』の公式サイトにおける第6話あらすじでは、父の身を守り母の仇を取ることを理由として紹介している[38]
  14. ^ 「SAUSY」と書かれたTシャツを着ている。何を意図した単語であるのかは不明だが、これが英語の「SAUCY」のスペルミスであると仮定するなら、その意味は「生意気な」である[独自研究?]
  15. ^ a b c d e 劇中において瓶の中身を浴びた島田は、台詞で「強い酸だ! 硫酸か……!?」と述べている[40]
  16. ^ 同僚の教師達からそれについて追及を受けた為で、人間の倫理観までは理解していなかった。
  17. ^ ミギーによれば、通常一匹のパラサイトの攻撃は防御との兼ね合いや、自分の触手との空中衝突を防ぐため、パターンが決まっているが、彼女の場合は少なくとも2パターン以上を持っているとのこと。また、頭部の上半分を意識的に本体から分離して敵パラサイトの体内に侵入させ、相手の体の制御を奪うなどといった攻撃手段を用いたこともある。
  18. ^ 講義のテーマは「動物の利他行動とその疑問点」
  19. ^ 劇中において遺体が人間側に回収されたことが初めて明確に描写されているパラサイトとなっており、それ以前にはパラサイトの生物的特性について詳しいことが分からなかったことが描写されている。これより以前には、「A」が田宮によって爆死し、そのことが劇中で公となったことが描写されているが、劇中内の報道では「上半身が吹き飛ばされており……」と言及され、この時点でパラサイトの存在に関する情報や、寄生部分のサンプルが人間側に回収されたかどうかは描写がない。なお2014年の実写映画版では、新一とミギーが物語序盤で倒した名前不明の人に寄生したパラサイトに当たる登場人物や、「A」の遺体も回収され、胃袋から人間の指が発見されたという言及があるが、原作ではそうした言及がない。
  20. ^ ただし広川の死後は、後藤から「よくわからんやつだった」とも評されている[47]
  21. ^ 新一とミギーは広川を初めて見かけた際、四肢に複数のパラサイトを融合させた「後藤」と並んでいた広川を、反応の数からパラサイトであると誤認してしていた[48]
  22. ^ ただし後藤の台詞でそのように説明されているものの、具体的な経緯がどのようなものであったのかという描写はされていない。
  23. ^ 作品タイトルになっている「寄生獣」の語が作中で使われたのは、広川が人間を指して「寄生獣」と呼んだ、この1件のみである。
  24. ^ 田村玲子がどのようにして作成したかは描かれていない。
  25. ^ 三木と後藤が同一の身体を共有していることは、当初は読者に対して伏せられていた。
  26. ^ 統率が完全では無い「三木」について、ミギーは「3体のパラサイト」と感じた事がある。なお後藤と新一が初めて目を合わせた広川の選挙演説の時、広川と後藤、および草野を含めた壇上の選挙スタッフたちを見てミギーは6体のパラサイトがいると判別していた[48]。新一は壇上にいた6人全員がパラサイトであると誤認するが、後に少なくとも広川が人間であることが明かされる。
  27. ^ 劇中の表現では「以前ゴミの焼却過程でよく発生していた有機塩素化合物[50]「猛毒」[51]
  28. ^ この時、新一にとどめを促されたミギーは「一度は肉体を共有した同種を殺すのは人間で言う殺人と同じだ」として、手を下すのを止めている。新一も長い逡巡の後、一度は手を下さない決意をして立ち去るが、ミギーとの会話を経て考えを改め、泣きながら謝罪しつつも自分が手を汚すことを決断する。
  29. ^ 劇中ではミギーから「育った環境のせいもあるだろうが不勉強なヤツ」と指摘されている。
  30. ^ テレビアニメ版『セイの格率』では「B」という名前が設定されている。詳細はテレビアニメ版の節を参照。
  31. ^ 本編では1度きりの出番のキャラクターだが、アフタヌーンKC版単行本の第1巻では表紙に大きく描かれて登場している。
  32. ^ 当時このような髪型は「リーゼント」と呼ばれていたが、厳密には「ポンパドゥール」の一種である。詳細は「リーゼント」を参照。
  33. ^ 福山市は実在するが、広島県の東端に位置する市である。
  34. ^ 2014年のテレビアニメ版では「西福山市立西福山高校」、同年の実写映画版では「西稜館高等学校」という独自の正式名が設定されているが、いずれも原作には登場しない名称である。
  35. ^ 作中では、世界中でパラサイトによると思われる殺人事件が頻発していることは言及されたが、日本以外の国の状況は描写されていない。日本政府がアメリカに問い合わせた結果、はぐらかしの回答しか得られていない事だけが描写されている。
  36. ^ その描写と後述の「形状」から宇宙からの飛来物であると解釈した読者が多かった[67]
  37. ^ このため劇中ではミギーに、改名後も元の名前と語感の似た名前となっていることを看破されている[75]
  38. ^ 劇中における「後藤」の説明によれば、寄生部分には大量の小銃弾を正面から受け止めるほどの耐久力はないが、斜めに角度をつけて弾道を逸らすことは可能とされる[77]
  39. ^ 死ぬなどして失われた細胞は成長などで補えるのか、それとも失ったまま新たに増える事は無いのかは不明。
  40. ^ と作中で書かれているが、実際は泌尿器。作中においてパラサイトが生殖器をその目的で扱った例は、Aと田宮良子のみ。
  41. ^ 頭部であれば眉毛や鼻毛でも良いとされる[43]
  42. ^ 人間とパラサイトの判別法を、劇中における政府関係者が世間に流布したのは、パラサイトであると疑われた人間が不利益を被り、ついに自殺者が出るという事態に発展したからである[43]。一般市民レベルにおいては、あくまでパラサイトと疑われた人間の無実を証明する事が目的である。実際にもパラサイトの数は人間に比べれば非常に少なく、そのような判別法で実際にパラサイトが見つかる例は少なかったと言及されている[23]。そのため真剣な選別というより、単なる遊びやコミュニケーションの一種となっている。もっとも本当にパラサイトが見つかった場合、対抗手段の無い一般人はほぼ間違いなく殺される事となる。なお政府関係者の間でこの判別法が行われた際には、対抗手段として小銃が用意された。
  43. ^ 本能的か後天的かは不明。
  44. ^ しかし、野生で捕獲されてから動物園で飼育されていたため本能を信じられず[82]、襲い掛かったところに返り討ちに遭った。
  45. ^ 目に埃が入ったときには普通に涙が流れるため、新一は涙を流すことができないのは心の問題だと推測している[89]
  46. ^ 第5話のラストシーンで心臓を貫かれ、第6話で瀕死の重傷を負ったところをミギーに救われて蘇生し意識を回復した直後に、一度は眼鏡をかけ直すものの視力が変化しており、眼鏡をかけると視界がぼやけ、裸眼ではくっきり見えることに気がつくという描写がされている。なお原作においてもミギーとの融合が進んだ後の新一は視力が向上したという言及があり、300メートル先の群衆の中から個人の体格や服装を正確に把握できると説明されている[111]
  47. ^ 公式サイトでは「新一の同級生」とされているが[117]、劇中では3年3組の生徒であると言及されており[118][119]、新一とは学級が異なる描写になっている。
  48. ^ 原作における「島田秀雄」の学級は、新一の学級より1学年上であると言及されている[17]
  49. ^ 原作では名前が明らかではなかった裕子の兄は、テレビアニメ版では立川ハルキ(声 – 横尾博之)という名前が設定されている[121]
  50. ^ テレビアニメ版では「和輝」という名が設定されているが、原作では姓のみしか明かされていない。
  51. ^ ただしテレビアニメ第2話のエンディングクレジットの役名では、単に「パラサイト」と表記されている。
  52. ^ なお原作においては、島田秀雄が「A」と対比され、殺人鬼「B」と呼ばれる場面がある[79]。テレビアニメ第10話でも同様。
  53. ^ テレビアニメ版第2話では、3人の男と1人のOLを惨殺した後、容姿を「A」の顔に変更する様子が描かれており、エンディングクレジットではサラリーマン「A」という役名で表記されている。
  54. ^ テレビアニメ版では加奈と校門の外で逢っている描写がされている[119]。加奈の葬式の際には黒の背広と黒のネクタイを着用している[120]
  55. ^ 原作では学校の教師から「早瀬」と呼びかけられる場面があり姓が明らかにされていたが、テレビアニメ版にはその場面がない。またエンディングクレジットや公式サイトでも姓が明かされておらず、名のみが表記されている。
  56. ^ ただし寄生される前は普通の頬となっている。
  57. ^ 「ジョー」と命名される前のエピソードであるテレビアニメ第7話では、エンディングクレジットで「宇田のパラサイト」と役名表記された。
  58. ^ 原作の単行本4巻の第23話で、硫酸[注釈 15]を掛けられて精神が錯乱した時モノローグで「おれ」になったが、テレビアニメ第10話では同様の場面では「ぼく」のままで、統一されている。
  59. ^ 初登場の場面では原作と同様、普段と異なる姿で登場しているが、この際には奈良徹が声を演じており、エンディングクレジットでは後藤と併記して「タンクトップの男」と役名表記された。
  60. ^ ただし劇中でそのように呼ばれる場面はない。
  61. ^ 『青い鳥』は童話劇。
  62. ^ 本放送に先駆け、2014年12月6日 土曜 2:00 – 6:50に第1話 – 第10話が集中放送された。日テレプラス

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 伝説の漫画「寄生獣」を山崎貴監督が2部作で映画化!染谷将太×深津絵里が参戦”. 映画.com (2013年11月20日). 2013年11月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h “「寄生獣」実写映画化、TVアニメ化発表 映画化権を東宝が獲得 ”. アニメ!アニメ!ビズ (イード). (2013年11月24日) 2014年11月23日閲覧。
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  4. ^ “2014年秋アニメ:ガンダム、寄生獣 “革命”の2トップ”. 毎日新聞. まんたんウェブ (毎日新聞社). (2014年10月26日) 2014年11月3日閲覧。
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  19. ^ アフタヌーンKC版第10巻, p. 104, 第61話.
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  24. ^ アフタヌーンKC版第2巻, 第10話.
  25. ^ a b c d アフタヌーンKC版第3巻, 第19話.
  26. ^ a b c d e f g アフタヌーンKC版第5巻, 第31話.
  27. ^ アフタヌーンKC版第5巻, 第30話.
  28. ^ アフタヌーンKC版第5巻, 第29-30話.
  29. ^ アフタヌーンKC版第7巻, p. 157, 第43話.
  30. ^ アフタヌーンKC版第6巻, p. 93, 第35話.
  31. ^ アフタヌーンKC版第6巻, p. 19, 第33話.
  32. ^ アフタヌーンKC版第8巻, p. 138, 第49話.
  33. ^ アフタヌーンKC版第9巻, pp. 29,58,77,86, 第52-55話.
  34. ^ アフタヌーンKC版第10巻, p. 185, 最終話.
  35. ^ アフタヌーンKC版第8巻, p. 175, 第50話.
  36. ^ アフタヌーンKC版第9巻, p. 126, 第55話.
  37. ^ アフタヌーンKC版第10巻, p. 196, 最終話.
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  41. ^ a b アフタヌーンKC版第1巻, p. 183, 第6話.
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  43. ^ a b c d e f g h i j k アフタヌーンKC版第4巻, 第25話.
  44. ^ アフタヌーンKC版第4巻, 第24話.
  45. ^ アフタヌーンKC版第4巻, 第38話.
  46. ^ a b アフタヌーンKC版第5巻, 第27話.
  47. ^ アフタヌーンKC版第9巻, 第55話.
  48. ^ a b c d アフタヌーンKC版第5巻, 第28話.
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  77. ^ アフタヌーンKC版第9巻, 第56話.
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  87. ^ アフタヌーンKC版第3巻, p. 51, 第16話.
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参考文献[編集]

  • 岩明均 『寄生獣』第1巻、講談社アフタヌーンKC〉、1990年7月23日ISBN 4-06-314026-1
  • 岩明均 『寄生獣』第2巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1991年1月23日ISBN 4-06-314029-6
  • 岩明均 『寄生獣』第3巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1991年7月23日ISBN 4-06-314036-9
  • 岩明均 『寄生獣』第4巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1992年1月23日ISBN 4-06-314040-7
  • 岩明均 『寄生獣』第5巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1992年8月22日ISBN 4-06-314045-8
  • 岩明均 『寄生獣』第6巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1993年1月23日ISBN 4-06-314054-7
  • 岩明均 『寄生獣』第7巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1993年7月23日ISBN 4-06-314064-4
  • 岩明均 『寄生獣』第8巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1994年2月23日ISBN 4-06-314076-8
  • 岩明均 『寄生獣』第9巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1994年11月22日ISBN 4-06-314095-4
  • 岩明均 『寄生獣』第10巻、講談社〈アフタヌーンKC〉、1995年3月23日ISBN 4-06-314107-1
  • 岩明均 『寄生獣(完全版)』第2巻、講談社〈KCデラックス〉、2003年1月23日ISBN 4-06-334665-X
  • 岩明均 『寄生獣(完全版)』第5巻、講談社〈KCデラックス〉、2003年3月17日ISBN 4-06-334692-7
  • 岩明均 『寄生獣(完全版)』第8巻、講談社〈KCデラックス〉、2003年6月23日ISBN 4-06-334734-6
  • 『寄生獣(映画プログラム)』 東宝ステラ、東宝株式会社映像事業部、2014年11月29日。T4988104059918。

外部リンク[編集]

日本テレビ 水曜25時29分枠
前番組 番組名 次番組
寄生獣 セイの格率

「蒼天航路」を読んでみた

蒼天航路は原作・原案が李學仁(イ・ハギン)、漫画が王欣太(キング・ゴンタ)の作品です。蒼天航路で描かれているのは、皆さんご存じの三国志の世界。

「三国志」とは、魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)という3つの王朝が一時代に興り、覇権を争った時代を指します。魏を興す曹操(そうそう)、呉を興す孫権(そんけん)、蜀を興す劉備(りゅうび)を中心とした様々な英雄たちが登場し、歴史ドラマを展開します。

この漫画が珍しいのは、日本人が信じる「三国志」とは違う「三国志」を内容の素材としていること。どういうことかと言うと、日本で広く親しまれている「三国志」の正式名称は「三国志演義」です。多くの日本人が歴史の史書として認識しているこの本は、中国の「四大奇書」と呼ばれており、後世に書かれた歴史小説です。つまり、歴史書ではないんです。

「三国志演義」は、三国志の時代から明の時代にかけて講談師(話しを聞かせる人)が作った紙芝居の内容を素材としており、人の噂やイメージなどが多分に含まれている内容です。
横山光輝氏が描く三国志は、この「三国志演義」を素材としています。

蒼天航路が素材とする「三国志」は歴史書の方の「三国志」です。これを「三国志正史」と呼びます。こちらは、中国で正式に認められた歴史書です。中国の王朝では、次の王朝の歴史書担当が前の王朝の歴史を書くという暗黙のルールが決められているそうです。なので、三国志の次の晋の時代の歴史家が書いたのが、この「三国志正史」です。

「三国志演義」は、四大奇書と呼ばれるだけあって、怪奇的なストーリーが含まれています。また、「三国志正史」と大きく違う点は、「三国志演義」の善玉が蜀の劉備であり、悪玉は魏の曹操です。「三国志正史」は小説ではないので、善玉も悪玉もありませんが、正統は、あくまでも曹操になっています。

前述した通り、中国の王朝の正史は、次の王朝の歴史家が書くので、三国志の後の王朝である晋が王朝を引き継いだのが三国志の魏である以上、魏を正統にしなくてはいけなかったということですね。

蒼天航路に描かれる三国志の英雄たちは、「三国志演義」のような善玉、悪玉という観念が無い為か、登場する人物たち全員に哲学やドラマがあり、英雄として格好良いキャラクターになっています。

次回から、蒼天航路の世界を詳しくご紹介しちゃいます!