ゼロ・グラビティ [Blu-ray]
『ゼロ・グラビティ』(原題:Gravity)は、アルフォンソ・キュアロン監督による2013年の、宇宙を舞台にしたSF・ヒューマン・サスペンス映画である。8月27日より開催される第70回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた。


あらすじ
医療技師を務めるライアン・ストーン博士は、スペースミッションに初めて参加する。ライアンは指揮を務めるマット・コワルスキーとシャリフと共に、宇宙空間での船外活動を行うところから物語は始まる。
スペースシャトル「エクスプローラー号」にてハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を行っていたライアン、シャリフと新型の船外活動ユニットのテストを行っていたマット。その面々にヒューストンの管制から、膨大な量の宇宙ゴミが高速で接近しているため、船内に避難するよう緊急連絡が来る。ロシアが自国の衛星を破壊したところ、他の衛星も連鎖的に破壊され、宇宙ゴミとして拡散してしまうケスラーシンドロームが発生。ライアンらは作業を中断して退避しようとするが間に合わず、スペースシャトルが宇宙ゴミと衝突。シャリフは頭部に宇宙ゴミが直撃して貫通し、即死。ライアンとマットは2人とも宇宙空間に投げ出される。船外活動ユニットを装備していないライアンは錐揉み状態のうえ、現在位置を特定できなくなり、パニック状態の過呼吸で、宇宙服の酸素も少なくなる。だが、マットは的確な指示を出し続け、船外活動ユニットを駆使してライアンを自分の身体に固定することに成功する。
ヒューストンに無線で連絡するが、同軌道上の通信衛星も破壊され、応答がない。めげずに無線連絡し続けながら死亡したシャリフの遺体を回収しスペースシャトルに帰還するが、コクピットや居住区画も大破し、宇宙服を着用していなかった他の乗組員は全員死亡。遺体が無重力で漂っているような状況であった。2人はスペースシャトル「エクスプローラー号」をあきらめ、マットの船外活動ユニットを利用してISS(国際宇宙ステーション)に向かう。
ライアンの宇宙服の酸素がさらに減っていく。マットはライアンを励ますため、家族の話をするが、娘は4歳の時に幼稚園で事故死したとライアンは答える。
ISSも破損し、地球帰還のための『ソユーズ』宇宙船は1機がすでに離脱、残る1機もパラシュートが開いてしまっている。マットは地球帰還は無理だがソユーズ宇宙船を利用し、中国の宇宙ステーション『天宮』へ向かうことを決心し、ISSに取り付こうとする。しかし、マットの船外活動ユニットは直前で燃料切れを起こし、二人は殆ど減速できずにISSに衝突して反動で宇宙空間に放り出されてしまう。ライアンは辛うじてパラシュートのロープに引っかかり、マットにつながっているロープをつかむ。しかし、マットはロープを離すよう指示、ライアンは反対するが、マットはロープのフックを外してしまう。マットは宇宙空間の深遠に漂流する間、通信が途切れるまでライアンに語りかける。
ライアンは意識朦朧としながらISSの居住区画に入り一息つく。しばらくしてISSで火災が発生する。ライアンは消火しようとするが、爆発が起き、ソユーズに退避して隔壁を閉鎖し事なきを得る。ライアンはソユーズをISSから離脱させるが、ソユーズのパラシュートのワイヤーがISSに絡まり、うまく離脱できない。ライアンは船外に出てパラシュートを外す。すると、再び膨大な量の宇宙ゴミが高速で接近し、ISSを大破させる。
ライアンはソユーズを発進させようとするが、燃料切れでエンジンが作動しない。AM無線で救助を求めると、地球の電波を拾ってしまい、アニンガという人物とつながる。アニンガは赤ん坊をあやし、ライアンは死別した娘を思い出す。ライアンは死を覚悟し、船内の酸素供給を止め、目をつぶる。
突然ソユーズの窓を外からノックするマットが現れて、ライアンと再会する。マットは船内に入ると酸素供給を再開させ、希望を捨てないようライアンを諭す。マットは着陸時の逆噴射装置を利用して天宮までの推進力とするよう助言する。ライアンが気づくと、マットは幻だった。ライアンは酸素供給を再開させ、着陸船を分離、逆噴射エンジンを作動させて着陸船を天宮に向かわせる。
天宮は高度を落としつつあった。ライアンはソユーズ着陸船を出て天宮に到着し、宇宙船『神舟』に乗り込む。中国語表記のコンソールに苦労しつつも、神舟の起動に成功。天宮は神舟とともに落下し、分解して神舟は切り離される。ライアンはマットや死別した娘に祈りをささげる。
神舟は大気圏に突入し着陸船が分離、パラシュートが無事に開いて湖に着水する。ライアンはハッチを開くが船内に浸水し脱出する間もなく水没、ライアンは水中へ脱出する。ライアンは泳いで陸に到着、地球の重力を存分に感じながら立ち上がり、物語は終わる。
キャスト
- ライアン・ストーン – サンドラ・ブロック(日本語吹替:深見梨加)
- マット・コワルスキー – ジョージ・クルーニー(日本語吹替:小山力也)
- ミッション・コントロール(声のみ) – エド・ハリス(日本語吹替:岩崎ひろし)
- アニンガ(声のみ) – オルト・イグナチウッセン(日本語吹替なし、原語流用)
- シャリフ(声のみ) – ファルダット・シャーマ(英語版)(日本語吹替:河本邦弘)
- シャトル船長(声のみ) – エイミー・ウォレン(日本語吹替:合田絵利)
- ISS船長(声のみ) – バシャール・サヴェージ(日本語吹替:宮本崇弘)※wikipedia参照