アンストッパブル

アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray]

 

アンストッパブル』(原題: Unstoppable)は、2010年公開のアメリカ映画。通算5回目にして最後となるトニー・スコットとデンゼル・ワシントンのコラボレーション作品で、さらにトニー・スコットにとって最後の監督作品にもなった。

2001年5月にオハイオ州で発生したCSX8888号暴走事故を題材に制作された。

ストーリー

ペンシルベニア州のフラー操車場で、アレゲニー・アンド・ウェストバージニア鉄道(Allegheny and West Virginia Railroad、略称AWVR)の最新鋭ディーゼル機関車「777号(通称トリプルセブン)」の牽引による39両編成・全長800m[3]の貨物列車が、別の場所に移動しようとしていた。移動中、線路の分岐器が切り替えられていなかったため、運転を担当する機関士・デューイは自らポイント切り替えを行うべく、単独ブレーキをかけ、運転席を離れるが、この時ある操作をしていなかったため、無人のまま暴走を始めた。当初は777号が牽引する貨車のエアーブレーキのホースが外れているため外部から緊急停止の操作はできないものの、単独ブレーキを掛けているため減速ないし停車すると思われた。
そのため、フラー操車場の操車場長・コニーは、通勤中のフラー操車場の溶接工主任・ネッドに777号の進路上のポイントを切り替え、側線に入らせるように指示し、デューイ達にも777号を後方から追跡するよう命じる。ところが、ネッドがポイント切り替えしても777号は通過せず、それどころか追跡していたはずのデューイたちに出会う。不審に思ったコニーはデューイに当時の状況を問い詰めると、単独ブレーキは掛けたものの、マスコンの出力を最大にしたままだったことが明らかになる。このことから、出力を最大にしていた関係で単独ブレーキは効力を失い、777号は猛スピードで力行していることが明らかになる。しかもこの列車には19万リットルのディーゼル燃料[3]に加え、発火性の強い有毒化学物質(溶融フェノール)を大量に積載していることが判明する。
このまま暴走を続けていると、スタントン郊外の急カーブで脱線した際に、積載している可燃物と周辺の可燃物タンクによって大惨事になることは避けられないため、AWVR社の運行部長・ガルビンの指示で777号の停止作戦を実施したがことごとく失敗してしまった。 同時刻、ブルースター操車場から旧式機関車「1206号」で貨物の輸送中だったベテラン機関士フランクと新米車掌ウィルは、777号の状況を知って修繕線に入線して衝突を回避するが、777号が牽引する貨車の最後尾車両の連結器が解除されているのを視認して、1206号を逆向きに連結して後部から引っ張り強制停車させることを決意したフランクはウィルと共に777号の追跡を始める。

補足

劇中では以下のような停止作戦が行なわれる。

  • 救援機関車7375号を777号の前に回り込ませて減速させている隙に、ヘリコプターから元海兵隊の整備士をワイヤーで吊るして降下させたが、777号が7375号に追突した際に整備士がバランスを崩し777号の天井と767号の運転席に激突・負傷して失敗してしまい、今度は777号を7375号で減速させて側線に誘導したが、減速しきれずに7375号だけがオーバースピードで側線に入線、777号に追突され脱線転覆・爆発炎上して失敗。
  • 燃料タンクの近くに設置されている燃料供給停止スイッチを狙撃したが、777号のスピードが速すぎて上手く当たらず失敗。
  • 避難が完了した市街地で可搬式脱線器を使用して脱線させようとしたが、777号の重量に耐え切れず脱線器が弾き飛ばされて失敗。

キャスト

フランク・バーンズ:デンゼル・ワシントン(大塚明夫)
今作の主人公。ブルースター操車場に勤める機関士で勤続28年の大ベテラン。この日初めて組んだ新米車掌のウィルと共に旧式機関車1206号に乗り込み、スタントンから貨物をウィルキンスに運ぶ途中、今回の事故に巻き込まれる。会社からは777号の停止作戦には手を出すなと命令されるが、30年近い勤務経験で培われた知識と勘から、停止作戦の成否は絶望的と判断し、777号を停止させるべくウィルと共に1206号で後を追う。
新人であるウィルとはこの日が初顔合わせで、ウィルの度重なるミスなどから険悪な空気となってしまうが、777号の追跡中にその仲は徐々に氷解していき、終盤には彼を認め「彼は変わった」と評価した。
会社からは、72日前に90日後の早期強制退職を宣告されており、18日後にはクビが言い渡される予定だった。また、4年前に妻のアリスと死別しており、19歳のニコルと18歳のマヤという二人の娘との三人暮らしで、この日は上の娘であるニコルの誕生日だった。
777号暴走事故を解決に導いた功績を認められ、強制退職が撤回された(さらに出世のおまけつき)。その後、円満退職という形でAWVR社を退職。
ウィル・コルソン:クリス・パイン(阪口周平)
もう一人の主人公。ブルースター操車場に配属されて4ヶ月の新米車掌。フランクと共に1206号でスタントンから貨物をウィルキンスに運ぶ途中、今回の事故に巻き込まれる。
家庭の問題のためにうわの空で作業を行い、本来1206号に連結するべきではない貨車を余分に5両連結したため、最初に待避しようとした側線では編成が納まらなくなり、それより10キロ先の充分な長さのある修繕線を待避に使わざるを得なくなってしまい、1206号を777号との正面衝突の危機に陥らせた(機関車同士の衝突は回避したが、1206号が牽引していた貨車の最後尾車両は退避が間に合わず777号と衝突して木端微塵)。
新米でありながら鉄道一家の出身ゆえに優遇されていると周囲からは見なされており、大ベテランでありながら会社から退職を宣告されたフランクとは序盤から何かと口論になる(ただし、描かれ方からしてウィル本人はそう見られていることに嫌気がさしている様である)。さらに新米ゆえにミスを連発し、家庭の問題からくる苛立ちもあって険悪な雰囲気にまで発展。フランクが777号の後を追おうとした時も「自殺行為だ」と猛反対するが、彼から会社の行っている777号の停止作戦が絶望的なことと、故郷であり、家族の住むスタントンの町が大惨事に見舞われることを聞かされ、意を決して会社からの命令を無視してフランクと共に777号の追跡を開始する。その追跡の中でフランクと徐々に仲を氷解させていき、終盤にはフランクをして「彼は変わった」と言わしめた。
妻ダーシーとの間で生じた些細な誤解が元で妻子と別居状態であり、兄の元に身を寄せていたが、777号暴走事故の解決を機にダーシーとの仲は修復。その後、第2子が誕生予定であることが語られている。
コニー・フーパー:ロザリオ・ドーソン(本田貴子)
フラー操車場で操車場長を務める女性。デューイとギリースから777号の無人発車の報告を受けた際、彼らの報告から777号は緩やかに惰行していると判断し、デューイとギリースに追跡を、同僚のネッドに先回りとポイントの切り替えを指示するが、後に彼らの報告から777号は猛スピードで力行していることと、777号にはディーゼル燃料と毒性と発火性の強い溶融フェノールが大量に積まれていることが判り、史上最悪の貨物列車暴走事故が起こっていると判断して、州警察や鉄道会社に通報して事態回復に奔走する。
若輩ながら操車場長としては極めて有能で、積み荷が判明した際、777号を停車させることは不可能に近いと判断し、人気の無い農地で脱線させる事を運行部長のガルビンに提案するが会社の損失を最小限にすることを優先され一蹴される(後に脱線作戦は彼女に無断で実行されたが失敗した)。他の停止作戦も失敗し、万策尽きたかと思われたが、フランクとウィルが777号を追跡している事を知り、クビを覚悟で会社の命令を無視し、彼らに希望を託す。
777号暴走事故の解決後、運行部長に昇進。
オスカー・ガルビン(ギャルヴィン):ケヴィン・ダン(浦山迅)
AWVR社の運行部長。コニーの通報で777号の暴走を知り、停止作戦を立案する。基本的に人命よりも会社の損失を最小限に止めることを優先しており、暴走する777号の前に別の機関車を回り込ませ、意図的な追突で減速させた隙にヘリコプターを使って777号に人を乗り込ませるという無謀ともいえる作戦を実行させるが、失敗した上に死傷者まで出してしまう。さらにコニーの脱線案を一蹴しておきながら彼女に無断で実行(それも街の郊外で)したり、777号を追跡するフランクとウィルに対して「会社の損失が拡大する」と怒鳴り散らすなど、極めて傲慢な性格。
命令を無視したフランクたちに「命令に従わないなら君たちはクビだぞ!」と宣告するも、最終的には一連の作戦の失敗の責任を問われる形で、皮肉にも彼自らがクビになった。
デューイ(ドゥーイ):イーサン・サプリー(奈良徹)
フラー操車場に勤める機関士。体型は太っていて、眼鏡をかけている。サボり癖がある上、普段から仕事態度が不真面目で相棒のギリース共々周囲からは問題児扱いされており、特に正確さを求めるネッドとは仲が悪い。
777号を移動させる際、貨車のエアーブレーキのホースが外れていることを知りながら発車させ、さらにギリースの「運転席を出るな」という制止を無視して列車が動いている状態で運転席から離れ、おまけにブレーキ操作を誤るなどして777号の暴走を引き起こした張本人となってしまう。
暴走事故後、ファーストフード業界に転職。
ギリース:T・J・ミラー(佐藤せつじ)
デューイの相棒を務める機関士。彼と共に777号暴走の原因を作ってしまう。
その後デューイと共にハイレール(陸軌車)で777号を追跡し、777号に飛び移ろうとするもうまくいかず、危うく信号機にぶつかりそうになる。
ネッド・オールダム:リュー・テンプル(森田順平)
フラー操車場に勤める溶接工主任。言動は軽薄な男だが、仕事に対しては「(スポット溶接は)正確さがものをいう」という確固たる信念を持つ。いい加減な性格のデューイ、ギリースとは仲が悪い。コニーから777号暴走の知らせと分岐器切り替えの指示を受けて先回りをするが、切り替えポイントに到着した時にはすでに列車は通過しており、さらにデューイたちの証言から777号が力行状態で暴走していると知り、自身の車で追跡する。
ダーシー・コルソン:ジェシー・シュラム(清和祐子)
ウィルの妻で一児の母。彼女の紛らわしい行動から生じたウィルの些細な誤解が元で別居していたが、777号の暴走をフランクと共に食い止めようとするウィルを心配し、その様子を見守る。
バニー:ケヴィン・チャップマン(谷昌樹)
フラー操車場の指令室に勤める通信士。
スコット・ワーナー: ケヴィン・コリガン(成田剣)
連邦鉄道局の職員。この日行われる予定だった鉄道安全教室のため、たまたまフラー操車場を訪れていた。職業柄、鉄道に関する知識や777号が牽引する貨車に積載されていた溶融フェノールなどの薬品関連にも精通しており、コニーたちに様々な助言を与える。7375号が777号を側線に誘導しようとした際にオーバースピードであることを見抜き、「側線に入ってはいけない!速すぎる!」と警告するも、777号脱線という最悪の事態は回避できたが、7375号はポイント操作が間に合わず側線に入線して脱線転覆・爆発炎上してしまう。777号暴走事故解決の陰の功労者。
ジャド・スチュワート: デヴィッド・ウォーショフスキー(てらそままさき)
ブルースター操車場に勤めるベテラン機関士。フランクの友人で、冒頭でフランクと会話をしていた人物。ガルビンの提案した777号停止作戦の運転士役に指名され、自らが運転する機関車7375号を777号の前に回りこませて減速させようと試みるが777号の圧倒的なパワーの前に失敗、7375号はオーバースピードで側線に入線して脱線転覆後に爆発炎上し、脱出できずに死亡する。
  • ジェフ・ウィンコット
  • ミーガン・タンディ
  • エリザベス・マシス
    • その他の声の吹き替え:佐々木省三/小形満/津田英三/下田レイ/うえだ星子/かぬか光明/片貝薫/佐藤拓也/高橋英則/慶長佑香/清水秀光

登場車両

777号
GE AC4400CW型
今作のメインとなるフラー操車場所属の機関車で、赤のベースカラーと黄色のラインカラーというデザインで、後ろにペイントデザインが異なる同型機関車767号を連結している2両編成機関車。非常に強力な馬力を誇るが、様々なケアレスミスが重なり運転士がいないまま最大出力で暴走を開始してしまう。前から7375号に押されても、後ろから1206号に引っ張られてもほとんど減速しないほどの化け物で、踏切内で立ち往生したトラック、1206号が牽引していた貨車の最後尾車両、複数セットされたポータブルの脱線器など線路上のありとあらゆるものを蹴散らして暴走した。フラー操車場の管制官からも怪物と呼ばれており、劇中でも777号の咆哮とも思えるような効果音が随所にちりばめられている。
なお、他の機関車はほぼ全てEMD SD40-2型なので、最近導入されたばかりの最新鋭の車両らしく、フランク達の機関車の最高速度が90km程度なのに対し、劇中で登場する速度計測などのシーンではたびたび時速100kmを越えていた。
1206号
EMD SD40-2型
今作のもう一台のメインとなるブルースター操車場所属の単独機関車。だいぶ古い車両らしいが、5000馬力を誇りパワーが有り余っているとは言えなくとも衰えてはいないとのこと。車両単独で前進での最高速度は約80~88kmと語られ、後進時は97km程度で走行している。亜鉛工場から貨車20両(実際にはさらに5両余計に連結して)をフラー操車場方面に牽引中に今回の事故に遭遇する。
青のベースカラーに黄色のラインカラーというデザインで、他に登場する機関車も777号と767号を除いてほとんどが同型のほぼ同じカラーリングの車両である。
7375号
EMD SD40-2型
救援車両として指名されたブルースター操車場所属の機関車で、後ろに同型機関車7346号を逆向きに連結している2両編成機関車。
暴走する777号の前に回り込み止めようとするも777号の圧倒的なパワーには歯が立たず、そのままオーバースピードで側線に入線、さらに777号にダメ押しとばかりに突き飛ばされ脱線転覆、爆発炎上してしまう。
2002号
鉄道安全教室車両2両を牽引していた単独機関車。暴走した777号とニアミスしている。
所属が違うようでカラーも赤茶色のベースカラーに黄色のラインカラーとなっている。

製作

2007年6月、20世紀フォックスはマーティン・キャンベルを本作の監督にするべく交渉していた[4]が、結局2009年3月までにトニー・スコットが務めることが決まった[5]。同年4月、デンゼル・ワシントンとクリス・パインの参加が決まり[6]、2011年公開を目指して製作準備が開始された。

2009年7月、同じくトニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演の『サブウェイ123 激突』の興行成績低迷により『アンストッパブル』の資金調達が困難となり、製作がストップしていることが明らかとなった[7]。これに伴い20世紀フォックス側は製作費を1億ドルから9000万ドル、スコットの監督料を900万ドルから600万ドル、ワシントンの出演料を2000万ドルから1600万ドルまで下げようとし、これに反対したワシントンは7月17日までにプロジェクトから離脱した[8][9]。その後フォックスとスコットとワシントンで協議が行われ、ワシントンは復帰し、同年秋の撮影開始に向けて製作準備が再開される[10]

撮影は2009年8月31日に開始され、ペンシルベニア州やオハイオ州で行われた[11][12][13]

劇中で登場する暴走機関車停止の作戦はどれも実際の事故のときに立案されたものと同じか、それをベースにしたアレンジ案となっており、実は進路上に別の機関車を置いて追突させることで停止させるという案も実際の事故でも立案されていた。ただ、実際の事故では最後の切り札として準備こそされたが、その前に停止させることができたので実行はされていない。

なお暴走列車の機関車はカナダ太平洋鉄道からリースしたGE AC4400CW型が、また救援用機関車にはEMD SD40-2型がそれぞれ使用された。なお、実際の事故では暴走した機関車、救援機ともにSD40-2型であった。

エンドロールでは、放映4年前に癌で亡くなった、ジェス・ノールトンの妻ホーリーに対する監督のトニー・スコットの計らいで「IN MEMORY OF HOLLIE HAINES KNOWLTON ED LIMATO(この映画を今は亡きホーリー・ノールトンに捧げる)」と記された。

※wikipedia参照





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